配当金を受け取り始めると、ふと「これって確定申告が必要なのかな」と不安になる方は多いと思います。とくに配当金生活を目指して保有額が増えてくると、申告したほうが得なのか、しなくていいのか、判断に迷いますよね。この記事では、配当金生活の確定申告のやり方を、ステップに分けてやさしく解説します。手順を順番になぞれば、自分がどう動けばよいか見えてくるはずです。まずは深呼吸して、一歩ずつ進めていきましょう。
ステップ1:そもそも申告するか決める
意外かもしれませんが、上場株式の配当は受け取った時点で約20%が源泉徴収されているため、何もしなくても課税は完結しています。つまり配当金生活の確定申告のやり方の最初の一歩は、「そもそも申告するか」を選ぶことです。申告すると得になる代表的なケースは次の2つです。
- 所得が低めで、総合課税+配当控除を使うと税負担が下がる場合
- 株の売却で損が出ていて、配当と相殺(損益通算)したい場合
逆に、給与が高く損益通算する損もないなら、申告せずそのままにしておくほうがシンプルです。配当金生活では、この「やれば得なときだけやる」という感覚が大切になります。
ステップ2:必要な書類をそろえる
申告すると決めたら、書類集めです。たとえるなら、料理を始める前に材料をそろえる工程です。最低限そろえたいものを表にまとめます。
| 書類 | 入手先 | 用途 |
| 特定口座年間取引報告書 | 証券会社(電子交付が多い) | 配当・売買の金額確認 |
| 源泉徴収票 | 勤務先 | 給与所得の入力 |
| マイナンバー確認書類 | 自分で用意 | 本人確認 |
証券会社の「特定口座(源泉徴収あり)」を使っていれば、年間取引報告書に必要な数字がほぼまとまっているので、申告の手間は大きく減ります。配当の金額や、すでに引かれている税額もこの一枚に載っています。
ステップ3:e-Taxで入力していく
書類がそろったら、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」やe-Taxを使って入力します。手順は大きく次の流れです。第一に給与など本業の所得を入力し、第二に「配当所得」の欄で総合課税か申告分離課税かを選び、第三に年間取引報告書を見ながら配当額と源泉徴収済みの税額を入力します。最近は証券会社のデータをそのまま取り込める機能もあり、転記ミスが減ってきました。画面の案内に沿って数字を埋めていけば、最終的な納税額または還付額が自動で計算されます。配当控除の適用も、総合課税を選べば計算上で反映されます。
ステップ4:提出と「住民税の確認」
入力が終わったら、e-Taxで電子送信するか、印刷して税務署に提出します。配当金生活で気をつけたいのが住民税の扱いです。以前は所得税と住民税で別々の課税方式を選べましたが、現在は原則として所得税と同じ方式に統一されています。そのため、総合課税を選ぶと住民税にも影響し、国民健康保険料などに波及することがあります。「所得税では得をしたのに、保険料が上がって結局トントン」という逆転もあり得ます。申告前に、所得税だけでなく住民税や保険料への影響も含めて全体を見ておくと安心です。提出期限は原則として翌年の3月中旬までなので、年明けに慌てないよう早めに準備しましょう。
よくある疑問
「途中で間違えたらどうする?」という不安もよく聞きます。提出後に誤りに気づいても、更正の請求や修正申告でやり直せる仕組みがあります。また「NISAの配当も申告するの?」という質問も多いですが、NISAの配当は非課税なので申告は不要です。配当金生活で申告対象になるのは、あくまで課税口座の配当だと覚えておきましょう。さらに「複数の証券会社を使っているけど、まとめて申告するの?」という疑問もあります。この場合は、それぞれの口座の年間取引報告書を用意し、合算して入力します。手間は増えますが、損益通算は会社をまたいでもできるので、片方で損が出ていればもう片方の利益と相殺できる場合があります。
還付までの流れも知っておく
申告の結果、納めすぎた税金が戻ってくることを還付といいます。配当を総合課税で申告して配当控除を使った場合や、損益通算で税金を取り戻す場合などです。e-Taxで申告して還付がある場合、おおむね数週間で指定した口座に振り込まれるのが一般的です。還付金が入ると、確定申告をやってよかったと実感できる瞬間でもあります。とはいえ、前述のとおり住民税や保険料への影響もあるので、「還付額」だけを見て喜ばず、全体の損得で判断することを忘れないようにしましょう。
まとめ
配当金生活の確定申告のやり方は、(1)申告するかどうかをまず判断、(2)年間取引報告書など書類をそろえる、(3)作成コーナーやe-Taxで配当所得を入力、(4)提出時に住民税や保険料への影響も確認、という4ステップです。源泉徴収ありの特定口座なら、申告は「やれば得な場合だけやる」もの。慌てず、自分のケースで有利かどうかを確かめてから動きましょう。
※投資は自己責任です。本記事は情報提供であり投資助言ではありません。税制や申告手続きは変わる場合があるため、最新情報は国税庁や税理士などの専門家にご確認ください。