配当金生活を長く続けるほど、地味に効いてくるのがコストです。利回りを上げるのは相場次第で簡単ではありませんが、「配当金生活の手数料を安く抑えるコツ」を実践するのは、自分の意思で今日から始められます。同じ配当でも、コストを削るだけで手元に残るお金は確実に増えます。この記事では、入門者の方でも実行しやすい節約術を、効果の大きい順に紹介します。難しいテクニックは不要で、どれも見直すだけで効く方法ばかりです。
コツ1:長期で効く信託報酬を最優先で下げる
配当金生活の手数料を安く抑えるコツの中で、最も効果が大きいのが信託報酬の見直しです。これはETFや投資信託を保有している間ずっとかかる費用で、たとえるなら毎月引かれる会費のようなものです。同じような指数に連動する商品でも、信託報酬には差があります。1,000万円を保有した場合の年間コストを比べてみましょう。
| 信託報酬(年) | 年間コスト | 20年累計 |
| 0.1% | 1万円 | 20万円 |
| 0.5% | 5万円 | 100万円 |
| 1.0% | 10万円 | 200万円 |
長く持つ配当金生活では、この差が大きく開きます。中身が似た商品なら、信託報酬の低いほうを選ぶだけで、何もしなくても節約効果が積み上がっていきます。すでに持っている商品も、より低コストな代替がないか一度見直す価値があります。
コツ2:売買回数を減らして手数料を温存する
配当金生活はそもそも「持ち続けて配当を受け取る」スタイルなので、頻繁に売り買いする必要はありません。売買のたびにかかる手数料や、売却益への課税を避ける意味でも、コロコロ銘柄を入れ替えないことが節約につながります。気になる値動きがあっても、配当目的の資産は基本的にじっくり保有する、と方針を決めておくと、無駄なコストを減らせます。売買を我慢することも、立派な節約術の一つなのです。
コツ3:NISAの非課税枠でコストを丸ごと削る
手数料とは少し違いますが、税金も広い意味では手取りを削る「コスト」です。NISA口座で受け取った配当は非課税なので、約20%の税金がそのまま節約できます。これは信託報酬の見直し以上にインパクトが大きいことも多いです。たとえば年間40万円の配当をNISAで受け取れば、課税口座なら引かれていたはずの約8万円がまるごと手元に残ります。配当金生活を設計するなら、まずNISAの非課税枠を優先的に使い、枠を超えた分を課税口座に回す、という順番が王道です。ただしNISAの配当を非課税にするには「株式数比例配分方式」での受け取り設定が必要なので、口座設定を確認しておきましょう。
コツ4:為替コストと受け取り方を工夫する
米国株などで配当金生活を組む場合は、円とドルの両替で発生する為替手数料も無視できません。両替のたびにかかるので、こまめに替えるより、ある程度まとめて両替するほうがコストを抑えやすくなります。また、為替コストの低い証券会社を選ぶ、円のまま積み立てられるサービスを使う、といった工夫も有効です。配当の受け取り方法を見直すだけでも、再投資がスムーズになり、結果的に効率が上がることがあります。小さな差でも、長い配当金生活では積み重なって大きくなります。
コツ5:配当の自動再投資で取りこぼしを防ぐ
配当金生活の準備期間中は、受け取った配当をそのまま再投資して資産を増やしていく人も多いと思います。このとき、配当をいったん受け取ってから手動で買い直すと、その都度売買の手間やタイミングのズレが生じます。証券会社によっては、配当を自動的に再投資してくれる設定や、投資信託の分配金再投資コースが用意されています。これを使えば、再投資の取りこぼしや無駄な動きを減らせます。塵も積もればで、配当を効率よく回し続けることが、長期では大きな差になります。
取引コストを抑えた業者の選び方の具体的な内容は、こちらの記事にまとめています。
コツ6:コストを年に一度見える化する
最後に、節約を続けるための習慣をひとつ。年に一度、「自分が一年で払ったコストの合計」をざっくり書き出してみましょう。信託報酬・為替コスト・売買手数料を足して、受け取った配当に対して何%かを計算するだけです。数字にすると「思ったより払っていた」と気づくことが多く、翌年の改善につながります。見える化は、どんな節約術よりも続けやすい第一歩です。家計簿をつけると無駄遣いに気づくのと同じで、コストも書き出すだけで自然と意識が変わります。
まとめ
配当金生活の手数料を安く抑えるコツは、(1)長期で効く信託報酬を最優先で下げる、(2)売買回数を減らす、(3)NISAの非課税枠で税コストを削る、(4)為替や受け取り方を工夫する、(5)配当を自動再投資する、(6)コストを年に一度見える化する、の6つです。利回りは相場任せでも、コストは自分でコントロールできます。まずは持っている商品の信託報酬を確認し、より低コストな選択肢がないか見直すことから始めてみてください。小さな差でも、長い配当金生活では大きな違いになります。
※投資は自己責任です。本記事は情報提供であり投資助言ではありません。