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複利は危ないって本当?不安の真相とリスクとの付き合い方

「複利は危ないと聞いたが本当ですか?」——投資を始めようとして調べていると、こうした言葉を目にして急に不安になった方も多いのではないでしょうか。せっかく前向きになっていたのに、「危ない」と言われると一歩を踏み出しにくくなりますよね。この記事では、その不安の正体をやさしくほどきながら、複利とどう付き合えばいいのかを、となりで話すような気持ちで整理していきます。

「複利は危ないと聞いたが本当ですか」という不安の正体

まず、結論を先にお伝えすると、複利そのものが「危ない仕組み」というわけではありません。複利とは、ざっくり言えば「ふえたお金が、さらに次のお金を生む」状態のことです。雪だるまを坂道で転がすと、最初は小さくても少しずつ大きくなっていくイメージに近いですね。最初のひと転がしではほとんど大きさが変わらないのに、転がし続けるうちにある時点から一気にふくらんでいく——あの感覚が複利の効き方とよく似ています。

では、なぜ「複利は危ない」という声が出てくるのでしょうか。多くの場合、危ないのは複利という計算のしくみではなく、その複利を生み出す中身のほうです。たとえば、値動きの激しい商品や、よく分からないままお金を預けてしまう仕組みに複利が組み合わさると、ふくらむスピードと同じくらい、減るスピードも速くなることがあります。包丁が料理にも役立てば、扱い方しだいで危なくもなるのと同じで、道具そのものに善悪があるわけではないのですね。つまり不安の正体は、「複利」そのものではなく「何で複利を回しているか」だと考えると、少し見え方が変わってきます。

複利が「危なく見える」3つの場面

「危ないかも」とモヤモヤするとき、実は次のような場面がごちゃまぜになっていることが多いです。一度、整理してみましょう。

場面 何が起きているか 本当に危ないのは
借金の複利 利息にさらに利息がついて返済額がふくらむ 高い金利での借入
値動きが大きい運用 増える時も大きいが減る時も大きい 内容を理解しない投資
うまい話の複利 「毎月確実に増える」とうたう勧誘 仕組みが不透明な相手

こうして並べてみると、共通しているのは「複利だから危ない」のではなく、金利の高さ・中身の分からなさ・相手の不透明さが重なったときに危なくなる、ということです。逆にいえば、ここに気をつければ、複利は心強い味方になってくれます。3つのうち、入門のうちにとくに見分けておきたいのが、最初の「借金の複利」です。これは投資の複利と向きが正反対なので、次の章でもう少し丁寧に見てみましょう。

「絶対増える」という言葉には立ち止まる

とくに気をつけたいのが、「複利で必ず資産が増えます」といった言い回しです。お金の世界に「必ず」や「絶対」はありません。複利は時間をかけて効いてくる考え方であって、短期間で確実にもうかる魔法ではない、と覚えておくと安心です。もし誰かが「複利だから損はしない」と強くすすめてきたら、複利を悪者にして売り込みの材料にしているだけかもしれない、と一度立ち止まってみてください。

同じ複利でも向きが逆——「ふやす複利」と「ふくらむ複利」

複利という言葉は、お金をふやす場面でも、借金がふくらむ場面でも使われます。同じ「複利」でも向きが正反対なので、ここを分けて考えるだけで、不安の半分くらいはほどけます。

たとえば、お金をふやす側の複利は、自分のお金がゆっくり育っていく「追い風」です。一方、借金の複利は、返しきれなかった利息にまた利息が乗っていく「向かい風」です。とくに金利の高い借入は、向かい風がとても強い状態なので、投資でふやすスピードより、借金がふくらむスピードのほうが上回ってしまうこともあります。だからこそ「ふやす前に、強い向かい風(高い金利の借金)を先に弱めておく」という順番が、結果的に効いてくる場面が多いのです。複利を味方にしたいなら、まずは自分が今、追い風と向かい風のどちらを多く受けているかを見てみる——それが意外と近道だったりします。

不安をやわらげる、複利との付き合い方

では、複利の不安とどう向き合えばよいのでしょうか。むずかしいテクニックは必要ありません。次のような考え方を持っておくだけで、ずいぶん気持ちが落ち着きます。

  • 中身を説明できるものだけにする——人に一言で説明できないものには、無理に手を出さない。
  • 失っても生活が揺らがない範囲にする——余裕資金で始めると、値動きに一喜一憂しにくくなります。
  • 時間を味方につける——複利は長い目で見たときに効きやすい考え方です。あせらないことが、結果的にリスクを下げます。
  • 借金の複利からは距離を置く——増やす前に、高い金利の負担を減らすほうが効くこともあります。

この4つは、どれも「派手に増やす」ためというより、「不安を減らして続ける」ための工夫です。複利は続けてこそ意味が出てくる考え方なので、こわがって途中でやめてしまうより、自分が落ち着いていられる範囲で長く付き合うほうが、結果として相性がよいことが多いのです。たとえば、値下がりした画面を見るたびに眠れなくなるくらいなら、金額を半分にしてでも「夜ぐっすり眠れる量」に調整するほうが長続きします。

まとめ:危ないのは複利ではなく「使い方」

「複利は危ないと聞いたが本当ですか」という問いに、改めて答えるなら——危ないのは複利という仕組みそのものではなく、その使い方や中身です。高い金利、よく分からない商品、不透明な相手。この3つを避けるだけで、不安はぐっと小さくなります。

投資を始めたばかりの今、すべてを完ぺきに理解する必要はありません。「複利=こわいもの」という思い込みを、「複利=中身を選んで、時間をかけて付き合うもの」と置きかえるだけで、最初の一歩はずいぶん軽くなるはずです。分からない言葉が出てきたら、そのつど立ち止まって調べる——その積み重ねこそが、あなた自身の判断力という、いちばん頼れる味方を育ててくれます。あなたのペースで、納得できる範囲から始めていきましょう。

※投資は自己責任です。本記事は情報提供であり投資助言ではありません。

※本記事は情報提供を目的としており、特定の取引・業者を推奨するものではありません。投資判断は最終的にご自身の責任でお願いいたします。
田中 誠一郎
この記事の執筆者
田中 誠一郎
FP2級 証券外務員一種 元・証券会社15年
元・大手証券会社に15年勤務後、独立。FP2級・証券外務員1種保有。バイナリーオプション・FX・資産運用を中心に、入門者向けの解説記事を多数執筆。「難しい金融知識をわかりやすく」をモットーに活動中。

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