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複利って何?ゼロから分かる入門

「お金がお金を生む」なんて言葉、なんだか胡散くさく聞こえませんか。でも、その仕組みのいちばんやさしい正体が「複利」です。名前は難しそうですが、中身はとてもシンプル。この記事では、まったくの初心者の方に向けて、複利って何なのかをゼロからかみくだいて説明していきます。読み終わるころには、「あ、そういうことか」とスッキリしているはずです。

複利とは「利息にも利息がつく」こと

たとえば、坂道で雪玉を転がす場面を思い浮かべてください。最初は手のひらサイズの小さな雪玉でも、転がしていくうちに表面に雪がくっつき、どんどん大きくなりますよね。大きくなった雪玉は、表面積が広いぶん次の一回転でさらにたくさんの雪をくっつけます。これがまさに複利のイメージです。

お金の世界に置きかえると、こうなります。預けたお金(元手)に利息がつく。次の年は、その「元手+去年ついた利息」の合計に対して、また利息がつく。利息にも利息がつくから、雪玉のようにふくらむスピードが少しずつ速くなっていくのです。

もうひとつ、身近なたとえを出しましょう。コピー機で紙を一枚コピーして、できた二枚をまたコピーして……とくり返すと、紙の枚数は1枚、2枚、4枚、8枚と増えていきますよね。最初はちょっとずつでも、回を重ねるたびに増え方そのものが大きくなる。複利のふくらみ方も、これにそっくりです。前回より大きくなった土台の上で、次の増え分が計算されていくのですね。

単利との違いをくらべてみよう

複利のおもしろさは、「単利」とくらべると一気に見えてきます。単利は、毎年いつも最初の元手だけに利息がつく方式です。去年ついた利息は計算の仲間に入れてもらえません。いっぽう複利は、ついた利息もどんどん仲間に加えていきます。

イメージしやすいように、10万円を年5%で運用したと仮定して並べてみます(あくまで考え方を示す例で、利益を約束するものではありません)。

年数 単利の合計 複利の合計
1年後 10万5,000円 10万5,000円
5年後 12万5,000円 約12万7,600円
10年後 15万円 約16万2,900円

最初の1年はまったく同じです。でも年数が増えるほど、複利のほうがじわじわと差を広げていくのが分かりますか。短い期間ではほんの少しの違いでも、時間という味方がつくと、その差は静かに大きくなっていきます。

複利の力を引き出す「時間」というカギ

複利の話で必ず出てくるのが「時間」です。なぜなら、雪玉が大きくなるには坂道の長さが必要なように、複利が効いてくるにもそれなりの年数が必要だからです。1〜2年ではピンと来なくても、10年、20年と続けると、雪玉はぐっと存在感を増していきます。

だからこそ「早く始めるほど時間を味方にしやすい」とよく言われます。とはいえ、これは「急いで無理をしよう」という話ではありません。あくまで仕組みの特徴として、長く続けられる範囲でコツコツ向き合うことが、複利と相性がいいというだけのことです。

もうひとつ、複利を語るときによく出てくるのが「72の法則」という考え方です。これは「72を年あたりの利回り(%)で割ると、おおよそ何年で元手が倍になるかの目安が出る」という、ざっくりした計算のコツです。たとえば年3%なら72÷3で約24年、年6%なら72÷6で約12年が目安。あくまで概算ですが、複利のスピード感をつかむのにとても便利な物差しなので、頭の片すみに置いておくと役立ちますよ。

気をつけたいポイント

ここまで読むと複利はいいことずくめに見えますが、注意したい点もあります。まず、複利はプラスのときだけでなくマイナスのときにも働きます。値下がりが続けば、減り方のほうがふくらむこともあるのです。雪玉は坂を下れば大きくなりますが、向きを間違えれば転がり落ちてしまう、と考えると分かりやすいかもしれません。

また、計算例で使った「年5%」のような数字は、いつでも保証されるものではありません。実際の運用では値動きがありますし、手数料や税金も結果に影響します。複利はあくまで「ふやす力を後押しする仕組み」であって、魔法ではない、と覚えておきましょう。さらに、途中でお金を引き出してしまうと、その分だけ雪玉に使える雪が減り、ふくらむ力も弱まります。複利の特徴を活かしたいなら、増えた利息をなるべく外に出さず、そのまま土台に積み足していくイメージを持つと分かりやすいでしょう。

まとめ

複利とは、利息にもさらに利息がついていく仕組みのこと。雪玉が坂道で大きくなるように、時間をかけるほど効いてくるのが特徴です。単利との違い、そして「時間」というカギを押さえておけば、もう複利は怖い言葉ではありません。今日はまず「そういう仕組みがあるんだ」と知れただけで十分な一歩です。気になった方は、身近な貯金や積立の例で少しずつイメージをふくらませてみてくださいね。

※投資は自己責任です。本記事は情報提供であり投資助言ではありません。

※本記事は情報提供を目的としており、特定の取引・業者を推奨するものではありません。投資判断は最終的にご自身の責任でお願いいたします。
田中 誠一郎
この記事の執筆者
田中 誠一郎
FP2級 証券外務員一種 元・証券会社15年
元・大手証券会社に15年勤務後、独立。FP2級・証券外務員1種保有。バイナリーオプション・FX・資産運用を中心に、入門者向けの解説記事を多数執筆。「難しい金融知識をわかりやすく」をモットーに活動中。

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