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ドルコスト平均法の手数料はどれくらい?

「毎月少しずつ買うドルコスト平均法って、回数が多いぶん手数料も多くかかるのでは?」——そんな心配をしたことはありませんか。実は、ドルコスト平均法の手数料は、商品選びと仕組みの理解しだいで大きく差が出ます。長く続ける手法だからこそ、コストの中身を知っておくことはとても重要です。今回は、見えにくい「コストの正体」を一つひとつ分解して、初心者の方にもわかるように整理していきます。

ドルコスト平均法でかかる主なコスト

ドルコスト平均法そのものには手数料はありません。あくまで「買い方のルール」だからです。実際にコストがかかるのは、買っている投資信託やETFといった商品の側です。手数料は大きく分けて三種類あり、これは旅行でいう「予約料・滞在中の宿泊費・チェックアウト料」のようなイメージで考えるとわかりやすいです。それぞれかかるタイミングが違うので、混同しないように整理しておきましょう。

手数料の種類 かかるタイミング たとえると
購入時手数料 買うとき 入場料
信託報酬(運用管理費) 保有している間ずっと 毎日の家賃
信託財産留保額 売るとき 退去時の清掃費

このうち、長期の積立でいちばん効いてくるのが、保有中ずっとかかり続ける「信託報酬」です。なぜなら、ドルコスト平均法は何年も保有し続ける前提の手法だからです。買うときの手数料は一度きりですが、信託報酬は持っている限り毎日少しずつ差し引かれます。じわじわと積み重なるコストが、長い時間をかけて大きな差になっていくのです。

信託報酬の差が将来の金額を変える

たとえば、合計300万円を運用していて、信託報酬が年0.1%の商品と年1.5%の商品があったとします。単純計算で、年間のコストは前者が3,000円、後者は4万5,000円。その差は1年で4万2,000円にもなります。これが10年続けば40万円以上、20年なら80万円以上の開きとなり、最終的な手取りに無視できない差を生みます。

運用額 信託報酬0.1% 信託報酬1.5%
100万円 年1,000円 年1万5,000円
300万円 年3,000円 年4万5,000円
500万円 年5,000円 年7万5,000円

近年は購入時手数料がゼロの「ノーロード」と呼ばれる商品も多く、信託報酬も年0.1%前後の低コスト商品が増えています。同じような中身の商品であれば、信託報酬の低いものを選ぶだけで、運用成果に手をつけずにコストだけを下げられます。ドルコスト平均法と相性のよい低コスト商品は、選択肢として十分に検討する価値があります。

どこで積み立てるかでもコストは変わる

同じような商品でも、利用する金融機関によって取り扱いラインナップや実質的な負担が変わることがあります。たとえば窓口型の金融機関では販売手数料がかかる商品が中心だったり、取り扱う商品の数自体が限られていたりすることがあります。一方、運営コストの低いネット型のほうが、ノーロードで低コストの商品を幅広く扱っている傾向があります。購入時手数料の有無・取り扱い商品の信託報酬・積立の最低金額・ポイント還元の有無などを並べて見比べると、自分に合った場所が判断しやすくなります。コストは一度仕組みを整えれば、その後ずっと効いてくる部分です。

回数が多くても手数料は増えない理由

「毎月買うと、その都度手数料がかさむのでは」と心配する方は多いですが、ノーロード商品を選んでいれば、買付回数が何回に増えても購入時手数料は0円のままです。つまり、年12回買おうが100回買おうが、購入時のコストは変わりません。この点はドルコスト平均法にとって心強い事実です。一方で、保有額が増えれば信託報酬の総額は増えていきます。これは資産が育っている証でもありますが、率が高いほど負担も大きくなるため、やはり最初の商品選びが重要になります。具体例で見てみましょう。

毎月の積立額 10年後の概算保有額 信託報酬0.1%の年間コスト
1万円 約120万円 約1,200円
3万円 約360万円 約3,600円
5万円 約600万円 約6,000円

このように、低コスト商品を選んでおけば、資産が増えてもコストは緩やかにしか上がりません。逆に信託報酬が1.5%の商品だと、同じ360万円でも年5万円以上かかってしまいます。長く続けるほど、この差は効いてきます。

注意点とまとめ

気をつけたいのは、「手数料が安い=良い商品」とは限らないという点です。中身の運用方針や分散の度合い、これまでの運用実績も合わせて確認することが大切です。とはいえ、長期で続けるドルコスト平均法では、わずかなコスト差が将来の大きな差になりやすいのも事実です。まずは保有中ずっとかかる信託報酬に注目し、ノーロードや低コストの商品を選ぶこと。これが手数料の負担を抑える、いちばん現実的で再現性の高い方法です。コストの正体を知ることが、長く安心して続けるための土台になります。

※投資は自己責任です。本記事は情報提供であり投資助言ではありません。

※本記事は情報提供を目的としており、特定の取引・業者を推奨するものではありません。投資判断は最終的にご自身の責任でお願いいたします。
田中 誠一郎
この記事の執筆者
田中 誠一郎
FP2級 証券外務員一種 元・証券会社15年
元・大手証券会社に15年勤務後、独立。FP2級・証券外務員1種保有。バイナリーオプション・FX・資産運用を中心に、入門者向けの解説記事を多数執筆。「難しい金融知識をわかりやすく」をモットーに活動中。

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