長くコツコツ続けるドルコスト平均法だからこそ、「手数料を少しでも安く抑える方法はありますか?」という質問はとても大切です。わずかなコストの違いでも、何年も積み重なると将来の手取りに大きな差を生むからです。運用成績は思うようにコントロールできませんが、手数料は自分の工夫で確実に下げられる数少ない要素です。今回は、ドルコスト平均法の手数料を安く抑えるコツを、初心者の方でもすぐ実践できる節約術としてまとめていきます。
コツ1:購入時手数料ゼロの商品を選ぶ
まず取り組みやすいのが、買うたびにかかる「購入時手数料」をなくすことです。ドルコスト平均法は毎月何度も買い続けるため、1回ごとの購入手数料が地味に効いてきます。これはコンビニでなく自動販売機を選んで毎回の手間賃を省くようなイメージです。近年は購入時手数料が0円の「ノーロード」と呼ばれる商品が多く、これを選ぶだけで買うときのコストをまるごと節約できます。毎月の積立は買付回数が多いだけに、ここをゼロにする効果は意外と大きいのです。
コツ2:信託報酬の低い商品を選ぶ
次に効くのが、保有している間ずっとかかり続ける「信託報酬」です。これは毎日少しずつ差し引かれる家賃のようなコストで、長期保有が前提のドルコスト平均法では最も重要なポイントになります。
| 運用額 | 信託報酬1.5%の年間コスト | 信託報酬0.1%の年間コスト |
| 100万円 | 1万5,000円 | 1,000円 |
| 300万円 | 4万5,000円 | 3,000円 |
| 500万円 | 7万5,000円 | 5,000円 |
表のとおり、300万円を運用する場合、信託報酬の差だけで年間4万2,000円もの開きが出ます。これが10年続けば40万円以上の差です。同じような中身なら、信託報酬の低い商品を選ぶことが、いちばん確実な節約術と言えます。とくにインデックス型と呼ばれる商品には信託報酬が低いものが多く、初心者にとって選びやすい選択肢になっています。
コツ3:金融機関を比べて選ぶ
同じ商品でも、どこで積み立てるかで取り扱いや使い勝手が変わります。運営コストの低いネット型は、ノーロードで低コストの商品を幅広く扱っている傾向があります。購入時手数料の有無・取り扱い商品の信託報酬・積立の最低金額・ポイント還元の有無などを並べて比べると、自分に合った場所が選びやすくなります。最近では積立額に応じてポイントがたまる仕組みもあり、これも実質的なコスト削減につながります。最初に一度しっかり選んでおけば、その後ずっとコストを抑えた状態で積み立てを続けられます。
コツ4:非課税制度を活用する
手数料とは少し違いますが、利益にかかる税金も実質的なコストです。NISAのような非課税制度の中でドルコスト平均法を実践すれば、利益にかかる約20%の税金を抑えられます。たとえば利益が50万円なら、課税口座では約10万円が税金として引かれますが、NISA枠内なら丸ごと手元に残ります。手数料と税金の両面から負担を減らす意識を持つと、最終的な手取りはさらに大きく変わってきます。
スプレッド・手数料で選ぶFX業者比較の具体的な内容は、こちらの記事にまとめています。
コツ5:売買の回数を増やしすぎない
ドルコスト平均法は本来、決めた金額を淡々と買い続けるシンプルな手法です。ところが、相場が気になって途中で売ったり買い直したりを繰り返すと、そのたびに手数料や、利益が出ていれば税金がかかり、結果的にコストがふくらみます。これは、せっかく植えた苗を何度も掘り返してしまうようなもので、コスト面でも運用面でもあまり得策ではありません。基本は「決めたら触らない」。これも立派な節約術のひとつです。
| 行動 | コストへの影響 |
| 毎月の積立を淡々と続ける | ノーロードならコスト増なし |
| 相場を見て頻繁に売買する | 手数料・税金がかさみやすい |
| 必要なときだけ計画的に売る | コストを抑えやすい |
もちろん、ライフイベントで資金が必要になったときに売るのは自然なことです。問題なのは、値動きに振り回されて感情的に売買を繰り返すこと。長く続けるほど効いてくる手数料を抑えるには、シンプルさを保つことが何よりの近道になります。
注意点とまとめ
注意したいのは、「とにかく一番安い商品」だけで選ばないことです。コストは大切ですが、運用の中身や分散の度合い、これまでの実績も合わせて確認しましょう。安さと中身のバランスを見て選ぶのが、後悔しないコツです。まとめると、ドルコスト平均法の手数料を安く抑えるには、ノーロード商品を選ぶ・信託報酬の低い商品を選ぶ・金融機関を比べる・非課税制度を使う、の四つが基本です。どれもはじめの設定で大きく差がつく部分なので、最初にひと手間かけて整えておくことが、長く賢く続けるための近道になります。手数料は、運用がうまくいってもいかなくても必ず差し引かれるものです。だからこそ、自分でコントロールできる数少ない要素として、はじめにしっかり向き合っておく価値があります。今日できる一歩として、まずは今積み立てている商品の信託報酬がいくらなのかを確認してみることをおすすめします。
※投資は自己責任です。本記事は情報提供であり投資助言ではありません。