「老後資金、ちゃんと準備できてるかな…」とふと不安になったとき、まわりの友人から『iDeCo、やっといたほうがいいよ』とすすめられた経験はありませんか。気になってはいるけれど、いざ始めようとすると手続きや専門用語が多くて、つい後回しにしてしまう。そんな方はとても多いです。この記事では、iDeCoを始める前に知っておくべきことは何かを、お弁当を準備するイメージでステップごとにかみくだいて整理していきます。冷蔵庫の中身を確認してから献立を決めるように、まずは全体像をのぞいてみましょう。
iDeCoを始める前に知っておきたい全体像
iDeCo(個人型確定拠出年金)は、ざっくり言うと「自分専用の老後の貯金箱を、税金のおまけ付きで育てる仕組み」です。ふつうの貯金との大きなちがいは、毎月のかけ金が所得から差し引かれて税金が軽くなる点と、原則60歳まで引き出せない点。いわば、フタにカギがかかった貯金箱のようなものです。途中で開けられないからこそコツコツ続けやすい一方で、急にお金が必要になっても取り出せないという性質もあります。だからこそ、iDeCoを始める前に知っておくべきことは「自分の家計に無理のない範囲で続けられるか」を先に見きわめることなのです。
準備のステップを順番にチェック
いきなり申し込むのではなく、料理の下ごしらえのように順番に進めると失敗しにくくなります。次の3つのステップで考えてみましょう。
ステップ1:自分が加入できるか・上限額を確認する
会社員・公務員・自営業・専業主婦(主夫)など、立場によって毎月かけられる金額の上限がちがいます。まずは自分がどのタイプにあてはまるかを確認します。勤め先で企業年金に入っている場合は、上限が変わることもあるので要チェックです。
ステップ2:毎月いくら積み立てるか決める
かけ金は月5,000円から、1,000円単位で設定できます。最初から張り切って上限いっぱいにする必要はありません。家計の余裕を見て、続けられそうな金額から始めるのがコツです。金額は年に一度見直すこともできます。
ステップ3:金融機関(運営管理機関)と運用商品を選ぶ
iDeCoは銀行や証券会社などの窓口を1つ選んで申し込みます。窓口ごとに手数料や選べる商品のラインナップがちがうので、いわばお店選びのような感覚です。商品は、値動きの小さい定期預金タイプから、値動きはあるけれど成長を期待する投資信託タイプまで幅があります。
始める前に押さえておきたい注意点
準備の流れがイメージできたら、つまずきやすいポイントも先に知っておきましょう。下の表に、見落としがちな点をまとめました。
| 注意点 | かんたん解説 |
| 原則60歳まで引き出せない | 急な出費には使えないお金。生活防衛資金は別に確保しておく |
| 手数料がかかる | 加入時や毎月、口座管理などで費用が発生する。窓口で差が出る |
| 運用結果は変わる | 商品によっては受け取る額が増えることも減ることもある |
| 受け取り方で扱いが変わる | 一時金か年金形式かなど、受け取り時のルールも事前に確認 |
とくに大事なのが、いちばん上の「引き出せない」という性質です。iDeCoはあくまで老後のための貯金箱なので、近い将来に使う予定のお金まで入れてしまうと、いざというとき身動きが取れなくなります。まずは数か月分の生活費を手元に残し、その上であまった分を回す、という順番がおすすめです。あわてて満額にせず、小さく始めて慣れていくくらいの気持ちがちょうどよいでしょう。
始めたあとに見ておきたいこと
無事に申し込みが終わっても、放置しっぱなしではもったいないです。とはいえ、毎日チャートとにらめっこする必要はありません。年に1回、健康診断のような気持ちで「積み立て額は今のままでいいか」「商品の中身は自分の考えに合っているか」を見直すくらいで十分です。転職や働き方が変わったときは、手続きが必要になる場合もあるので、そのタイミングだけは忘れずに確認しましょう。たとえるなら、植えた苗に毎日水をやりすぎる必要はないけれど、季節の変わり目には様子を見てあげる、といったイメージです。長く付き合う制度だからこそ、最初に基礎を押さえておくと、あとがぐっとラクになります。あわてず、わからないことは窓口に質問しながら、自分のペースで育てていけば大丈夫です。
まとめ
ここまで、iDeCoを始める前に知っておくべきことは何かを、準備のステップと注意点に分けて見てきました。ポイントは、(1)自分が加入できるか・上限額を確認する、(2)無理のない積み立て額を決める、(3)窓口と商品をじっくり選ぶ、という順番で進めること。そして、原則60歳まで引き出せないという性質を理解し、生活防衛資金を別に残しておくことです。あせって満額から始めるより、小さく一歩を踏み出して、少しずつ自分のペースに整えていく。そんな気持ちで向き合えば、老後の備えはぐっと身近なものになります。まずは自分の立場と上限額を調べるところから始めてみてはいかがでしょうか。
※投資は自己責任です。本記事は情報提供であり投資助言ではありません。