「毎月の給料からちょっとずつ積み立てているけど、そのお金が中でどう動いているのか実はよく分からない…」。そんなふうに感じたことはありませんか?投資信託って名前は聞くけれど、お金を預けたあと裏側で何が起きているのか、イメージしづらいですよね。この記事では、投資信託の仕組みを、お金の流れを追いかけながら、できるだけ数字の例を使って図解するように解説していきます。読み終わるころには「あ、こうやって増えたり減ったりするのか」とスッと腑に落ちるはずです。
投資信託の仕組みは「みんなのお金を一つの財布にまとめる」こと
まずイメージしてほしいのは、大きな一つの財布です。投資信託の仕組みは、たくさんの人から少しずつお金を集めて、その財布を運用のプロ(運用会社)がまとめて株や債券などに投資する、という形になっています。たとえばAさんもBさんもCさんも、それぞれ1万円ずつ出したとします。3人合わせて3万円。これが何万人も集まると、何百億円という大きな資金になります。
一人だと1万円で買える株はごく限られますよね。でも、みんなのお金をまとめれば、いろんな会社の株を少しずつ、まとめてたくさん買えるようになります。これが「分散投資が手軽にできる」と言われる理由です。一つの財布の中に、たくさんの会社の株が小分けに入っているイメージです。
「基準価額」と「口数」で自分の取り分が決まる
では、自分が出したお金が今いくらになっているのか、どうやって分かるのでしょうか。ここで登場するのが基準価額(きじゅんかがく)と口数(くちすう)という2つの言葉です。難しそうに聞こえますが、ケーキで例えると一気に分かりやすくなります。
大きなホールケーキ全体が「ファンドの財布」、その一切れが「1口」、一切れの値段が「基準価額」だと思ってください。あなたが買うのは、このケーキの切れ端(口数)です。
| 項目 | 意味 | たとえ |
| 基準価額 | 1万口あたりの値段 | ケーキ一切れの価格 |
| 口数 | あなたが持っている量 | 持っている切れ端の数 |
| 評価額 | 今の自分の資産価値 | 切れ端の数×一切れの価格 |
具体的な数字で見てみましょう。基準価額が1万口あたり1万円のときに、あなたが3万円ぶん買ったとします。すると3万口を持つことになります。その後、財布の中の株が値上がりして、基準価額が1万2,000円になったとします。あなたの評価額は「3万口 × 1.2万円 ÷ 1万口」で3万6,000円。つまり6,000円ぶん増えた、という計算です。逆に基準価額が8,000円に下がれば、評価額は2万4,000円になり、6,000円の含み損になります。
毎月コツコツ積み立てる場合は、この口数が少しずつ増えていくイメージです。基準価額が安いときはたくさんの口数が買え、高いときは少ない口数しか買えません。毎月決まった金額を入れていくと、自然と「安いときに多く、高いときに少なく」買うことになり、買う値段が平均されていきます。これも仕組みのおもしろいところです。
なぜ増えたり減ったりするのか
基準価額が動くのは、財布の中身(株や債券)の値段が日々変わるからです。たとえば財布の中に入っているA社の株が上がれば財布全体の価値も上がり、その分だけ基準価額も上がります。逆にB社の株が下がれば基準価額も下がります。たくさんの会社に分けて持っているので、一社が大きく値下がりしても、ほかの会社が支えてくれてダメージが和らぐ、という仕組みです。
もう一つ知っておきたいのがコストです。プロに運用をお願いするので、財布の中から「信託報酬」という手数料が毎日少しずつ差し引かれます。たとえば年0.2%なら、100万円ぶん持っていても年2,000円ほど。これは利益が出ていても出ていなくてもかかる費用なので、この数字が低いほど手元に残りやすくなります。同じような中身のファンドでも、信託報酬が年1%と年0.1%では、長い年数で見ると手元に残る金額にじわじわ差が出てきます。仕組みを知るうえで、コストは見逃せないポイントです。
登場人物は三者三様の役割を持つ
投資信託の仕組みを支えているのは、実は三つの会社です。私たちの窓口になる「販売会社(銀行や証券会社など)」、実際にどの株を買うか決める「運用会社」、そしてみんなのお金を別々に保管して守る「信託銀行」。お金を集める人・運用する人・保管する人が分かれているので、一つの会社が勝手に持ち逃げできない仕組みになっているわけです。この役割分担が、安心して長く付き合える土台になっています。
まとめ
投資信託の仕組みをおさらいすると、(1)みんなのお金を一つの財布にまとめ、(2)プロがいろんな資産に分散して投資し、(3)中身の値動きで基準価額が上下し、(4)口数×基準価額で自分の取り分が決まる、という流れでした。少額からでも世界中の会社にまとめて投資できるのが大きな魅力ですが、値下がりすることもあり、手数料もかかります。仕組みを理解したうえで、自分のペースで無理のない範囲から触れてみてくださいね。
※投資は自己責任です。本記事は情報提供であり投資助言ではありません。