投資信託を選ぶとき、利回りばかりに目がいって「投資信託の手数料」を見落としていませんか。「年5%増えそう」という見出しに引かれても、コストを差し引くと実際の手取りはもっと少なくなることがあります。実は、このコストこそが長い目で見たときの成績を大きく左右します。今回は、投資入門者の方に向けて、投資信託の手数料にはどんな種類があり、どれくらいかかるのかという「コストの正体」をやさしくひもといていきます。数字に苦手意識がある方でも大丈夫、たとえを交えて進めていきますね。
投資信託の手数料は「3つのタイミング」でかかる
投資信託の手数料は、買うとき・持っている間・売るときの3つの場面に分かれています。これは、お店で家電を買うときに「購入代金」「使っている間の電気代」「処分料」がかかるのと似ています。買うときだけでなく、持ち続けるあいだもじわじわとコストが発生する点がポイントです。とくに「持っている間」のコストは目に見えにくいため、入門者ほど見落としがちです。まずは全体像を表で確認しましょう。
| 手数料の種類 | かかるタイミング | 目安 |
| 購入時手数料 | 買うとき | 0〜3%程度 |
| 信託報酬(運用管理費用) | 持っている間ずっと | 年0.1〜2%程度 |
| 信託財産留保額 | 売るとき | 0〜0.5%程度 |
いちばん大事なのは「信託報酬」
3つのなかで入門者がもっとも注目したいのが、真ん中の「信託報酬」です。これは保有しているあいだ毎日少しずつ差し引かれる費用で、年率で表されます。たとえば100万円分を信託報酬1%の投資信託で持っていると、年に約1万円のコストがかかる計算です。一見小さく見えますが、10年20年と持ち続けると、雪だるま式に積み重なっていきます。仮に信託報酬1%と0.1%の商品を100万円・20年で比べると、最終的な差は数十万円規模に広がることもあります。日々の負担は小さくても、時間が味方ではなく敵になってしまうわけです。
近年は購入時手数料が0円の「ノーロード」と呼ばれる投資信託も増えています。インデックス型のなかには信託報酬が年0.1%前後という低コストのものもあり、コストを意識する人にとっては心強い選択肢が広がっています。同じように資産を増やしたいなら、入り口の手数料が0円かどうかは大きな分かれ道になります。
同じ中身でもコストは違う
たとえば同じ「日経平均に連動する投資信託」でも、商品によって信託報酬がちがうことがよくあります。中身がほぼ同じなら、コストが低いほうが手元に残りやすいというのは自然な考え方ですよね。スーパーで同じメーカーの同じ商品が、店によって値段がちがうようなものです。下のような視点で見比べてみると、ちがいが見えてきます。
- 購入時手数料:0円(ノーロード)かどうかをまず確認する
- 信託報酬:年率が低いほど長期で有利になりやすい
- 信託財産留保額:売却時にかかるかどうかをチェックする
これらの数字は「目論見書(もくろみしょ)」という説明書類に必ず書かれています。難しそうな名前ですが、コスト欄だけでも目を通すクセをつけておくと、選び方の精度が上がります。証券会社のサイトでも「信託報酬」や「実質コスト」として表示されていることが多いので、購入ボタンを押す前にひと呼吸おいて確認してみましょう。
具体例で見るコストの差
イメージをつかむために、簡単な例で考えてみましょう。100万円を投資して、毎年同じだけ値上がりすると仮定します。信託報酬が年0.1%の商品なら年間のコストは約1,000円、年2%の商品なら約2万円です。1年だけ見ると「2万円くらいなら」と思うかもしれませんが、20年間ずっと払い続けると、単純計算でもその差は数十万円に達します。しかも、コストとして引かれたお金は本来なら運用に回って増えていたかもしれない金額です。つまり、払ったコスト分だけでなく、その先の増えるチャンスまで失っていることになります。
スプレッド・手数料で選ぶFX業者比較の具体的な内容は、こちらの記事にまとめています。
よくある疑問
入門者からよくいただく質問にお答えします。Q.「手数料が高い商品ほど成績が良いのですか?」——A.必ずしもそうとは限りません。コストが高くても期待どおりの成績になるとは言い切れず、低コストの商品が長期で有利になるケースも多くあります。Q.「信託報酬はいつ払うのですか?」——A.別途請求されるわけではなく、運用される資産から毎日少しずつ自動的に差し引かれています。だからこそ気づきにくいのです。Q.「コストはどこで確認できますか?」——A.目論見書や証券会社の商品ページに必ず記載されています。
まとめ
投資信託の手数料は、買うとき・持っている間・売るときの3つに分かれ、なかでも毎日かかる「信託報酬」が長期の成績を大きく左右します。利回りの高さだけでなく、コストの低さもあわせて見ることが、入門者にとって失敗を減らす近道です。まずは目論見書のコスト欄をのぞいてみることから始めてみましょう。数字の意味に迷ったら、焦らず一つずつ確認していけば大丈夫です。コスト意識が身につくと、商品選びの目もぐっと確かになっていきます。
※投資は自己責任です。本記事は情報提供であり投資助言ではありません。