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債券投資で損したときどうすればいいですか?落ち着いて考えたい対処法

「比較的安全だと聞いて始めたのに、債券投資で損したときどうすればいいですか?」——こんな不安を抱えていませんか。株よりも値動きがおだやかと言われる債券でも、評価額がマイナスになることはあります。最初は「自分のやり方が間違っていたのかな」と落ち込んでしまうものですよね。この記事では、まず気持ちを落ち着けて、なぜ損が出たのかを一緒に整理し、これからどう向き合えばいいかをやさしくお話ししていきます。

まずは落ち着いて。債券で損するのは珍しいことではありません

結論からお伝えすると、債券投資で損したときに、あわてて全部売ってしまうのはあまりおすすめできません。なぜなら、いま見えている「損」が、本当に確定した損失とは限らないからです。

債券には大きく分けて二つの値があります。一つは「いま売ったらいくらになるか」という時価。もう一つは「満期まで持ったらいくら戻ってくるか」という金額です。画面に表示される評価額がマイナスでも、それは時価が下がっているだけで、満期まで持てば額面どおり戻ってくるケースも多いのです。たとえるなら、住んでいる家の不動産価格が一時的に下がっても、住み続けるなら毎日の暮らしには関係ない、というイメージに近いかもしれません。

たとえば、100万円分の債券を買ったあとに画面の評価額が97万円と表示されていたとします。ここで「3万円損した」と感じてしまいがちですが、満期まで持てば額面の100万円が戻ってくる設計であれば、いま売らない限りその3万円は確定しません。むしろ、その間も決められた利息は受け取り続けられることが多いのです。だからこそ、表示された数字だけで判断しないことが第一歩になります。

ですから「損したから即売却」ではなく、まずは深呼吸して、自分の状況を確かめるところから始めましょう。

なぜ損が出たの?よくある3つの原因を診断してみましょう

債券投資で損が出る背景には、いくつか代表的な理由があります。自分がどれに当てはまるか、チェックしてみてください。

原因 どういうこと?
金利の上昇 世の中の金利が上がると、すでに持っている債券の魅力が相対的に下がり、時価が下がります。いちばんよくある原因です。
信用への不安 発行した国や企業の状況が悪くなりそうだと見られると、価格が下がります。
為替の変動 外国の債券の場合、円高に動くと日本円で見た価値が目減りすることがあります。

とくに多いのが、いちばん上の「金利の上昇」です。少しややこしいのですが、金利と債券の価格はシーソーのような関係にあります。金利が上がると債券の価格は下がり、金利が下がると価格は上がる、という具合です。なぜそうなるかというと、新しく発行される債券のほうが高い利息をもらえるようになると、低い利息のままの古い債券は「それなら安くしてくれないと買わないよ」と見られてしまうからです。今日のように国内経済で金利の動きが話題になりやすい時期は、評価額が揺れやすいと覚えておくとよいでしょう。

「確定した損」と「まだ確定していない損」を分けて考える

診断のポイントは、いまの損が「画面上だけの含み損」なのか「すでに売って確定した損」なのかを区別することです。含み損であれば、選べる道はまだいくつもあります。あせる必要はありません。逆に、信用への不安が原因で価格が大きく下がっている場合は、満期まで待っても戻ってこない可能性があるため、含み損でも早めに見直したほうがよいこともあります。原因ごとに対応が変わる、という点を押さえておきましょう。

これからどうする?落ち着いてとれる対処法

原因がなんとなく見えてきたら、次は対処です。状況によって選択肢が変わるので、代表的なものを並べてみます。

  • 満期まで持ち続ける:金利上昇による値下がりが理由で、信用面に大きな不安がなければ、満期まで待って額面で受け取るという考え方があります。あわてないことが力になる場面です。
  • 一部だけ見直す:不安で眠れないほどなら、全部ではなく一部だけ整理して、気持ちの負担を軽くする方法もあります。心の余裕を保つことも、長く続けるうえでは立派な戦略です。
  • 同じ失敗を繰り返さない仕組みをつくる:満期の時期を少しずつずらして複数の債券を持つと、金利の変動の影響をならしやすくなります。一度に同じ条件で買い込まないことが大切です。

大事なのは、損したという感情のままに動くのではなく、「自分はいつお金が必要なのか」「どこまでの値動きなら耐えられるのか」をもう一度確認することです。ここがはっきりすると、とるべき行動も自然と見えてきます。

判断に迷ったときの自問リスト

頭ではわかっていても、いざ損が出ると冷静になりにくいものです。そんなときは、次の三つを順番に自分へ問いかけてみてください。

  • このお金は、いつ使う予定?——数年先まで使う予定がないなら、満期を待つ余裕があるかもしれません。
  • 下がった原因は、金利と信用のどちら?——金利が理由なら時間が味方になりやすく、信用が理由なら慎重さが必要です。
  • いま売ったら、本当に後悔しない?——「不安だから」だけで動くと、あとで価格が戻ったときに悔いが残りがちです。

この三つに落ち着いて答えられるなら、もう感情だけで動くことはなくなっているはずです。

次の一歩のために、これだけは押さえておきましょう

債券投資で損したときどうすればいいですか、という問いに、たった一つの正解はありません。ただ、共通して言えるのは「あわてて確定させない」「原因を確かめる」「自分の生活設計に立ち返る」という三つの順番を守ることです。

はじめての含み損はだれにとっても怖いものですが、その経験は次に活きます。今回うまくいかなかった点を一つでもメモしておけば、それがあなたの投資の土台になっていきます。たとえば「次は満期の時期を分けて買おう」「金利のニュースに少し目を向けよう」といった気づきも、立派な前進です。小さく学びながら、少しずつ慣れていきましょう。

※投資は自己責任です。本記事は情報提供であり投資助言ではありません。

※本記事は情報提供を目的としており、特定の取引・業者を推奨するものではありません。投資判断は最終的にご自身の責任でお願いいたします。
田中 誠一郎
この記事の執筆者
田中 誠一郎
FP2級 証券外務員一種 元・証券会社15年
元・大手証券会社に15年勤務後、独立。FP2級・証券外務員1種保有。バイナリーオプション・FX・資産運用を中心に、入門者向けの解説記事を多数執筆。「難しい金融知識をわかりやすく」をモットーに活動中。

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