「マンションのオーナーになって、毎月家賃が入ってきたら…」なんて、ちょっと夢に見たことはありませんか。でも実際に不動産を買うには、何千万円ものお金や、入居者さがし、修繕の手配など、ハードルがたくさんあります。そんな「不動産でちょっと収入を得てみたい」という気持ちに、もっと手軽にこたえてくれるのが今回のテーマです。この記事ではREITとはどういうものなのかを、投資をはじめたばかりの方に向けて、できるだけやさしく整理していきます。
REITとは?まずは結論から
結論からいうと、REIT(リート)とは「みんなから少しずつお金を集めて、ビルやマンション、商業施設などの不動産を買い、そこから生まれる家賃などの収益を、出してくれた人に分けて返すしくみ」のことです。正式には「不動産投資信託」と呼ばれ、英語の頭文字をとってREITと略されています。日本国内のものはとくに「J-REIT(ジェイリート)」と呼ばれることもあります。
ポイントは、自分で建物を持つわけではない、という点です。あなたが買うのは建物そのものではなく、「その不動産のかたまりに少しだけ参加する権利」のようなもの。証券会社を通じて、株を買うのとよく似た感覚で取引できます。だから、いざというときには売って現金に戻すこともしやすく、本物の不動産を売るときのように何か月もかけて買い手をさがす必要がありません。この「気軽さ」が、はじめての方にとってうれしいポイントになります。
もうひとつ知っておきたいのが、REITが投資している不動産は一種類だけではない、ということです。オフィスビルが中心のもの、住宅が中心のもの、ショッピングモールやホテル、物流倉庫を集めたものなど、いろいろなタイプがあります。自分が「この分野なら応援したいな」と思える不動産を選べるのも、ちょっとした楽しみのひとつかもしれませんね。
身近なものでたとえると
イメージしやすいように、たとえてみましょう。たとえば友だち数人で、人気エリアにある一棟のアパートを共同で買うとします。一人では手が届かなくても、みんなで出しあえば買えますよね。そして入ってきた家賃を、出した金額の割合に応じて分けあう。REITは、これをものすごく大人数で、しかもプロの運用会社が物件選びや管理をやってくれる形にしたもの、と考えると分かりやすいです。
あなたは「出資する人」のひとり。物件の掃除も入居者対応もプロにおまかせで、生まれた利益の分け前(これを「分配金」と呼びます)を受けとる立場になります。少額から参加できて、面倒な管理を自分でしなくていいのが大きな特徴です。本物のアパート経営なら、エアコンが壊れた、入居者が見つからない、といった悩みに自分で向きあわなければなりませんが、REITならそうした手間はかかりません。「不動産の収益だけをちょっと味わってみたい」という人にとって、ほどよい距離感のしくみだといえます。
株式とはどこがちがう?
「それって株とどうちがうの?」と感じた方のために、ざっくり比べてみます。
| 項目 | REIT | 一般的な株式 |
| 投資する先 | 不動産のかたまり | 会社そのもの |
| おもな収益源 | 家賃などからの分配金 | 会社の成長や配当 |
| イメージ | 大家さんの仲間入り | 会社の応援団 |
株が「会社の一部を持つ」感覚だとすれば、REITは「不動産から生まれる収益の一部を受けとる」感覚です。どちらも証券口座があれば売り買いでき、価格は日々動きます。
なぜ初心者に知っておく価値があるの?
REITを知っておくと、投資の「引き出し」がひとつ増えます。株や預金とはちがう値動きをすることが多いので、いくつかの資産に分けて持ちたいと考えたとき、選択肢のひとつになるからです。少額からはじめられ、不動産という身近なテーマなので、初心者でもイメージしやすいのもうれしいところです。
もちろん、いいことばかりではありません。不動産の景気や金利の動き次第で価格が下がることもありますし、分配金が約束されているわけでもありません。たとえば景気が悪くなって空室が増えれば、入ってくる家賃が減り、受けとれる分配金もしぼんでしまう、ということが起こりえます。金利が上がると、不動産を買うための借り入れコストがふくらんで、業績に影響することもあります。だからこそ、まずは「REITとはこういうしくみなんだ」「どんなときに値が動くんだろう」と全体像をつかんでおくことが、あわてない第一歩になります。最初から完璧に理解する必要はありません。少しずつなじんでいけば大丈夫です。
まとめ
REITとは、みんなで少しずつお金を出しあって不動産に投資し、その収益を分けあうしくみのことでした。建物を直接持たなくても、大家さん気分で家賃収入のような分配金を受けとれるのが魅力です。一方で値動きやリスクもあるので、いきなり大きく賭けるのではなく、まずはしくみを理解することから。気になった方は、この記事を入口に、少しずつ知識を広げていってみてくださいね。
※投資は自己責任です。本記事は情報提供であり投資助言ではありません。