「銀行にお金を置いておくだけだと、なんだか増えないなあ」——そう感じたことはありませんか。給料が振り込まれて、生活費を引いて、残りはとりあえず普通預金へ。気持ちは分かりますが、その置きっぱなしのお金が、実はほとんど働いていないとしたら、ちょっともったいない気がしますよね。そこで登場するのが資産運用です。とはいえ「言葉は聞くけど、中で何が起きてるの?」という方がほとんどだと思います。この記事では、資産運用の仕組みを、お金が動いていく流れに沿って、数字の例も交えながら一緒にのぞいていきましょう。
資産運用の仕組みは「お金に働いてもらう」ことから始まる
資産運用の仕組みをひとことで言うと、「自分の代わりにお金そのものに働いてもらう」流れのことです。あなたが会社で働いて給料をもらうように、お金もどこかに預けたり投じたりすると、その先で働いて、少しずつ仲間を連れて帰ってきます。この「連れて帰ってくる分」がリターン(増えたお金)です。
たとえば手元に100万円があるとします。これをタンスにしまっておけば、1年後もきっちり100万円のまま。一方、年に3%のリターンが見込める運用先に入れたとすると、1年後はおよそ103万円。差額の3万円は、あなたが何か追加で働いたわけではなく、お金が稼いできてくれた金額、というイメージです。これが資産運用のいちばん根っこにある考え方です。
お金が増える「3つの源泉」を分解してみる
では、その増えた分はどこから生まれるのでしょうか。仕組みを分けると、利益の源は大きく3種類に整理できます。
| 利益の種類 | どんな仕組みで生まれるか | たとえると |
| 利息・分配 | お金を貸した見返りに受け取る | 友達に貸して「お礼」をもらう |
| 配当 | 会社の利益の一部を株主に配る | お店の売上を出資者で山分け |
| 値上がり益 | 買った時より高く売れた差額 | 安く買って高く手放す |
具体例で見てみましょう。ある会社の株を1株1,000円で100株、つまり10万円分買ったとします。1年後にこの会社が好調で、株価が1,100円になりました。ここで売れば、差額の100円×100株=1万円が値上がり益です。さらに「1株あたり30円配当します」と決まれば、30円×100株=3,000円が配当として入ってきます。合わせて1万3,000円。お金に働いてもらった結果が、この数字に表れているわけです。
もちろん逆もあります。株価が900円に下がってしまえば、1万円の損(評価損)になります。資産運用の仕組みは「増える方向にも減る方向にも振れる」両面を持っている、ここはきちんと押さえておきたいところです。
「複利」というじわじわ効く仕組み
資産運用の面白さは、増えたお金をまた運用に回すと、その増えた分にもさらにリターンが乗っていく点にあります。これを複利と呼びます。雪だるまを転がすと、表面についた雪の上にまた雪がついて、どんどん大きくなりますよね。あのイメージです。
100万円を年3%で運用した場合を、増えた分も毎年そのまま運用に回したと仮定して並べてみます。
| 経過年数 | おおよその金額 | 1年で増えた分 |
| 1年後 | 約103万円 | 約3万円 |
| 5年後 | 約116万円 | 約3.4万円 |
| 10年後 | 約134万円 | 約3.9万円 |
注目したいのは、同じ3%でも、後になるほど1年で増える金額が大きくなっていること。元手が育っているぶん、乗っかるリターンも増えるからです。時間を味方につけると、資産運用の仕組みはじわじわ力を発揮してくれます。逆に言えば、短い期間では実感しにくい、ともいえます。
リスクとリターンは背中合わせ
「3%より10%のほうがいいに決まってる」と思いますよね。でも、ここに大事なルールがあります。大きく増える可能性のあるものは、その分だけ大きく減る可能性も抱えている、ということです。穏やかに育つものは振れ幅が小さく、勢いよく育つ可能性のあるものは振れ幅も大きい。この「振れ幅」がリスクの正体です。
だからこそ、資産運用の仕組みを上手に使う人は、一つに全部を賭けず、性格の違う運用先に分けて持つことを心がけます。卵を一つのカゴに盛らない、という有名な言い回しの通りです。片方が転んでも、もう片方が支えてくれる、というクッションを作っておくわけですね。
もうひとつ覚えておきたいのは、リスクは「悪いもの」ではなく「価格が上下に動く幅」を指す言葉だ、という点です。動くからこそ値上がり益のチャンスも生まれます。まったく動かないものはほとんど増えませんし、動きが激しいものは心臓に悪い場面も出てきます。自分がどのくらいの上下なら落ち着いて眠れるか——その感覚に合わせて運用先を選んでいくのが、無理なく長く続けるコツになります。
まとめ
資産運用の仕組みは、「お金に働いてもらい」「利息・配当・値上がりで増え」「複利で雪だるま式に育ち」、その代わりに「リスクという振れ幅も引き受ける」——この流れの組み合わせでできています。最初は数字が小さく見えても、時間をかけることで形が変わっていくのが面白いところです。まずは仕組みのイメージをつかんで、自分のペースで、無理のない金額から少しずつ試してみるのがおすすめですよ。
※投資は自己責任です。本記事は情報提供であり投資助言ではありません。