「お金を銀行に預けても、ほとんど増えない…」そんなモヤモヤを感じたことはありませんか。じつは、その銀行の役割を自分が引き受けるような投資があります。それが債券です。なんだか難しそうな響きですが、中身は「お金を貸して、利息をもらう」というシンプルなもの。この記事では、債券投資の仕組みを、具体的な数字を使って一緒にひもといていきます。お金がどう動いて、なぜ利益や損が生まれるのかが、読み終わるころにはスッと頭に入っているはずです。
債券投資の仕組みは「お金を貸す」とイメージしよう
まず、いちばん大事なところからいきます。債券とは、国や会社が「お金を貸してください。代わりに利息をつけて、期限がきたら全額お返しします」と発行する“借用書”のようなものです。あなたがその借用書を買うと、国や会社にお金を貸したことになります。
友達にお金を貸す場面を想像してみてください。たとえば友達に1万円を貸して、「1年後に利息1,000円つけて返すね」と約束してもらったら、あなたは1年後に1万1,000円を受け取れますよね。債券投資の仕組みも、これとまったく同じ発想です。貸す相手が「友達」から「国や大企業」に変わっただけなのです。
このとき登場する言葉を、先に3つだけ整理しておきましょう。難しい用語ではないので、安心してください。
| 言葉 | かみくだいた意味 |
| 額面(がくめん) | 満期にいくら返ってくるか、という金額 |
| クーポン(利率) | 毎年もらえる利息の割合 |
| 満期(まんき) | 貸したお金が全額返ってくる期限 |
数字で見る、利息がうまれる流れ
では、実際の数字でお金の動きを追ってみましょう。ここがいちばんのキモです。
たとえば、額面100万円・クーポン年2%・満期5年の債券を買ったとします。すると、お金はこんなふうに動きます。
- 1年目の終わり:利息2万円(100万円の2%)を受け取る
- 2年目の終わり:また利息2万円を受け取る
- …これが5年目まで毎年続く
- 5年目の満期:最後の利息2万円に加えて、貸した100万円がそのまま戻る
合計してみると、利息は2万円×5年=10万円。これに元の100万円が返ってくるので、トータルで110万円。最初に出した100万円が、5年かけて110万円になった計算です。預金より少し前向きにお金が働いてくれる、というイメージがつかめたでしょうか。これが債券投資の仕組みの“幹”の部分です。
では、損はどうして起きるの?
「貸したお金が戻って、利息ももらえるなら、損なんてしないのでは?」と思いますよね。でも、満期まで持たずに途中で売る場合は、話が変わってきます。
債券は、満期前でも市場で売り買いできます。そして、その売買価格は世の中の金利によって上下するのです。ここがちょっと不思議なポイント。世の中の金利が上がると、すでに発行された債券の価格は下がります。
理由を、たとえで説明します。あなたが「年2%の債券」を持っているとします。ところがその後、世の中で「年4%の新しい債券」が売り出されたとしたら、どうでしょう。新しく買う人はみんな4%のほうへ流れますよね。すると、あなたの2%の債券は人気が落ち、「もっと安くしないと買ってもらえない」状態になります。これが価格が下がる仕組みです。
逆に、世の中の金利が下がれば、あなたの2%債券は相対的にお得になり、価格が上がることもあります。途中で売って利益が出るのは、こうしたケースです。
| 世の中の金利 | 持っている債券の価格 |
| 上がる | 下がりやすい |
| 下がる | 上がりやすい |
つまり、満期まで持てば基本は約束どおりお金が戻りますが、途中で手放すなら価格変動の影響を受ける、というわけです。
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もうひとつ、知っておきたいリスク
債券投資の仕組みを語るうえで、避けて通れないのが「貸した相手がちゃんと返してくれるか」という点です。これを信用リスクと呼びます。
友達にお金を貸すときも、「この人は約束を守る人かな?」と気になりますよね。債券も同じで、貸す相手が経営の安定した国や会社なら返ってくる可能性は高く、その分もらえる利息は低めです。逆に、財政が不安な相手ほど「高い利息をつけるから貸してほしい」と誘ってきます。利息が高い債券ほど、それだけリスクもある、と覚えておくとバランス感覚が身につきます。
まとめ
ここまでをふり返ってみましょう。債券投資の仕組みは、(1)国や会社にお金を貸し、(2)毎年利息を受け取り、(3)満期に元のお金が戻る、という三段構えでした。利益のもとは利息と、ときどき生まれる価格の値上がり。一方で、途中売却での価格変動や、貸した相手が返せなくなる信用リスクもあわせ持っています。仕組みさえつかめば、債券は「ただ難しいもの」ではなく、お金の働き方をイメージしやすい身近な存在に変わります。まずは“お金を貸して利息をもらう”という幹だけでも、しっかり持ち帰ってもらえたらうれしいです。
※投資は自己責任です。本記事は情報提供であり投資助言ではありません。