「複利でお金を増やそう」とよく耳にしますが、では複利の税金はどうなるのか、じっくり考えたことはありますか。雪だるまのように利益が利益を生んで膨らんでいくのが複利の魅力ですが、増えた分にはきちんと税金がかかります。せっかく長い時間をかけて育てた雪だるまも、税金の仕組みを知らないと、いざ受け取るときに「思ったより手取りが少ない」と驚いてしまうかもしれません。この記事では、投資をはじめたばかりの方に向けて、複利の税金がどんな仕組みで発生するのかを、できるだけやさしく、具体例をまじえて整理していきます。
複利の税金はどのタイミングでかかるの?
まず大事なのは、複利そのものに特別な税金があるわけではない、という点です。複利とは「増えた利益を再び元手に組み入れて運用する」考え方であって、税金は最終的に得た利益(もうけ)に対してかかります。たとえば投資信託や株式で運用した利益、預金の利息などが課税の対象です。複利の税金を考えるときは、雪だるまが大きくなった分のうち「最初に投げ入れた雪玉(元本)」を超えた部分が課税対象だとイメージすると分かりやすいでしょう。元本そのものには税金はかかりません。
課税のタイミングは商品によって異なります。利益を確定して受け取った時点で課税されるものもあれば、分配金を受け取るたびに課税されるものもあります。再投資して複利を効かせていても、利益が実現した分には税がかかると覚えておきましょう。とくに「分配金を受け取って再投資するタイプ」は、受け取るたびに課税され、その分だけ再投資に回せるお金が目減りする点に注意が必要です。逆に、利益を内部にためて成長させるタイプは、売るまで課税が先送りされることもあります。
税率はどれくらい?具体例で見てみよう
日本では、株式や投資信託の売却益・配当などには、おおむね約20%(所得税15%+住民税5%に復興特別所得税が上乗せ)の税率がかかるのが基本です。預金利息も同様に源泉徴収されます。一律に近い税率なので、計画は立てやすいといえます。下の表で、複利の税金のイメージをつかんでみましょう。
| 項目 | 金額の例 |
| 元本 | 100万円 |
| 10年後の評価額(年5%複利の想定) | 約163万円 |
| 利益(もうけ) | 約63万円 |
| 税金の目安(約20%) | 約12万8千円 |
| 手取りの利益 | 約50万円 |
このように、複利でせっかく増えても、利益部分にはおよそ2割の税金がかかると見込んでおくと、あとで慌てずに済みます。たとえば「10年で163万円になった」と喜んでいても、増えた63万円から約13万円が税金として差し引かれ、手取りの利益は約50万円。最初から「もうけの2割は税金」と頭の片隅に置いておくと、受け取りのときのギャップが小さくなります。なお、これはあくまで概算であり、実際の税率や金額は商品や状況によって変わります。
税金を抑えながら複利を活かす考え方
複利の力を最大限に活かしたいなら、課税を先送りできる、あるいは非課税で運用できる制度を知っておくことが近道です。たとえば、一定の非課税枠が使える制度を活用すると、利益にかかる税金を抑えながら雪だるまをより大きく育てられます。途中で利益が課税されにくいほど、再投資に回せるお金が増え、複利の効果も高まりやすくなります。税金は「毎年表面を削る摩擦」のようなもので、摩擦が小さいほど雪だるまは速く大きくなる、とイメージすると分かりやすいでしょう。
逆に、こまめに利益を確定して受け取るたびに課税されると、再投資できる元手が削られ、複利のスピードが鈍ることもあります。長期でじっくり育てたいのか、こまめに利益を引き出したいのか、自分のスタイルに合わせて考えてみてください。どちらが良い悪いではなく、目的に合っているかが大切です。
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よくある疑問(Q&A)
Q. 再投資して受け取っていなくても税金はかかりますか。
A. 商品によります。分配金が出るたびに課税されるタイプもあれば、売却して利益を確定するまで課税されないタイプもあります。お持ちの商品の仕組みを確認しましょう。
Q. 損をした年でも申告は必要ですか。
A. 損失だけなら納める税金は基本ありませんが、損失を翌年以降に繰り越せる制度を使う場合などは申告が役立つことがあります。
Q. 利益が少額でも税金はかかりますか。
A. 金額の大小にかかわらず、利益が出れば原則として課税対象です。ただし口座の種類によって手続きの要否は変わります。
まとめ
複利の税金は、複利という増やし方そのものにかかるのではなく、最終的に得た利益に対してかかります。税率の目安は約20%。非課税制度をうまく使えば、税負担を抑えながら複利を育てやすくなります。仕組みを正しく知ることが、ムダな取りこぼしを防ぐ第一歩です。まずは自分の商品がどのタイミングで課税されるのかを確認し、必要に応じて専門家にも相談してみましょう。
※投資は自己責任です。本記事は情報提供であり投資助言ではありません。