「子どもが生まれたら教育資金を準備しましょう」とよく言われますが、いったいどうやってお金が増えていくのか、その中身まではあまり語られませんよね。貯金箱にコツコツ入れるイメージはあっても、「教育資金の仕組み」となると急にモヤッとする方は多いと思います。この記事では、お金がどう積み上がり、なぜ早く始めると差が出るのかを、具体的な数字を使って図解するように追いかけてみます。難しい計算は出てきませんので、肩の力を抜いて読んでみてください。
教育資金の仕組みは「入口・育てる・出口」の3部屋で考える
教育資金の仕組みは、お金が通る3つの部屋をイメージすると一気にわかりやすくなります。まず「入口」、つまり毎月いくら入れるか。次に「育てる」、入れたお金がどう増えるか。最後に「出口」、必要なときにどう取り出すか。この3つの部屋を順番に通ってお金が大きくなっていくわけです。
たとえば家計を一本の川にたとえると、入口は上流から流し込む水、育てる部屋は途中のダム、出口は田んぼへ流す水門です。どの部屋が弱くても全体はうまく回りません。お金の流れを理解するとは、この3部屋のつながりを知ることだと言えます。
「育てる」部屋で何が起きているのか
多くの人がつまずくのが、真ん中の「育てる」部屋です。ここでお金が増える正体は、利息や運用益が次の利息を生む積み重ねにあります。雪だるまを転がすと、表面についた雪の上にまた雪がつき、坂の下ほど一気に大きくなりますよね。あのイメージにとても近いのです。
仮に毎月1万円を積み立て、年利3%でゆるやかに育ったとします。元本だけなら18年で216万円ですが、増えた分が翌年さらに増える力が働くと、合計はおよそ290万円前後まで膨らむ計算になります。最初の数年は差がほとんど見えませんが、後半でグッと開くのがこの仕組みの特徴です。だからこそ「早く始めるほど有利」と言われるわけですね。
もう少し細かく見てみましょう。1年目に増えるのは元本に対するわずかな分だけで、ほとんど実感がありません。ところが10年目あたりになると、それまでに育った金額そのものにも増える力が乗ってきます。たとえるなら、最初は一粒だった種が、数年かけて枝葉を広げ、やがて毎年たくさんの実をつける木に育つようなものです。この積み立ての仕組みでいちばん面白いのは、「待つほど効きが強くなる」性質だと言えるでしょう。逆に言えば、途中で止めたり引き出したりすると、その分だけ実のなる枝を切ってしまうことになります。
数字で見る「入口」の違い
入口、つまり毎月の積立額や始める時期で、出口の金額は大きく変わります。下の表は年利3%で育てた場合のざっくりした目安です。
| 始め方 | 毎月の積立 | 期間 | 18歳時点の目安 |
| 0歳から | 1万円 | 18年 | 約290万円 |
| 0歳から | 2万円 | 18年 | 約580万円 |
| 6歳から | 1万円 | 12年 | 約170万円 |
同じ毎月1万円でも、始めるのが6年遅れると最終額の目安は120万円ほど縮みます。これは「育てる」部屋を通る時間が短くなり、雪だるまが転がる坂が短くなるからです。金額を増やすか、時間を味方につけるか。この準備は、2つのレバーで動いていると覚えておくと整理しやすいですよ。
増え方を左右する3つのつまみ
「育てる」部屋でお金がどれくらい増えるかは、ざっくり3つのつまみで決まります。一つ目は積立額、二つ目は期間、三つ目は増えるペース(年利)です。このうち期間だけは、あとから増やすことができません。お子さんが大きくなるほど残り時間は短くなる一方だからです。
たとえば年利を3%から4%に上げられたとしても、残り期間が5年しかなければ、最終額への効果は思ったより小さくなります。反対に、ペースは控えめでも18年という長い時間があれば、雪だるまはしっかり育ちます。つまり、初心者がまず意識すべきは派手なペースより「期間」というつまみだ、と考えると判断がぶれにくくなります。早く小さく始める。これが教育資金の仕組みを味方につける、いちばん素直なコツですね。
「出口」で気をつけたいこと
最後の出口は、必要なタイミングでお金を取り出す部屋です。ここで大切なのは、使う時期が近づいたら、値動きの大きい育て方からゆるやかな置き場所へ移しておくという発想です。せっかく育てても、使う直前に大きく目減りしては困りますよね。入学金が必要になる年から逆算して、少しずつ守りに切り替えていくと安心です。
また、教育資金専用の制度や保険など、出口のルールが決まっている入れ物もあります。途中で引き出しにくい代わりにコツコツ続けやすい、という性格の違いを知っておくと、自分に合った部屋を選びやすくなります。
まとめ
教育資金の仕組みは、「入口・育てる・出口」という3つの部屋をお金が通り抜けていくものでした。真ん中の育てる部屋では、増えた分がさらに増える雪だるま式の力が働き、時間が長いほど後半で大きく差がつきます。だからこそ、無理のない金額でできるだけ早く入口を開くことが、出口の安心につながります。まずは家計の中で「毎月いくらなら続けられるか」をイメージするところから始めてみてくださいね。
※投資は自己責任です。本記事は情報提供であり投資助言ではありません。