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投資信託は危ない?リスクの真相とつき合い方

「投資信託は危ないと聞いたが本当ですか?」——投資を始めようとすると、家族や同僚、ネットの口コミから一度はこんな不安の声を耳にするのではないでしょうか。せっかく前向きな気持ちになっても、「危ない」という言葉だけが頭に残ってしまい、一歩を踏み出せない方はとても多いです。この記事では、その不安の正体をいっしょにほどきながら、投資信託のリスクと上手なつき合い方を、やさしくご紹介します。

「投資信託は危ない」と言われる理由

まず、なぜ「危ない」と感じる人が多いのでしょうか。理由を整理すると、その多くは商品そのものというより、イメージや情報不足から来ていることが見えてきます。

  • お金が「減るかもしれない」という値動きへの不安
  • 仕組みがよく分からず、ブラックボックスに感じる
  • 「投資=ギャンブル」というイメージが残っている
  • 過去に大きく値下がりしたニュースの記憶

たしかに投資信託は、銀行預金のように元本が保証されている商品ではありません。価格は日々動きますし、買ったときより値下がりする時期もあります。ただ、それは「危ない」というより「値動きがある」という性質の話です。ここを混同してしまうと、必要以上にこわく感じてしまうのですね。たとえば、毎日の天気予報で雨の確率が出ても、それを「外出は危険だ」とは考えませんよね。傘を持つなど備えればよいだけです。投資信託も同じで、値動きという性質を知り、備えておけば、過度におびえる対象ではなくなります。

投資信託のリスクの正体を知る

「リスク」という言葉は、日本語だと「危険」と訳されがちですが、投資の世界では少し意味が違います。投資でのリスクとは、値動きの「振れ幅の大きさ」を指します。上にも下にも動く可能性の幅、とイメージしてください。天気にたとえるなら、晴れの日もあれば雨の日もある、その差が大きいか小さいか、というだけのことなのです。ですから、リスクが大きい=必ず損をする、という意味ではありません。大きく下がる可能性がある一方で、大きく上がる可能性もある、という両面を持っているのです。

投資信託が抱えるおもなリスクを、簡単な表にまとめてみました。

リスクの種類 どんなもの?
価格変動リスク 市場の動きで基準価額が上下する
為替変動リスク 外国の資産で、円高・円安により価値が変わる
信用リスク 投資先の企業や国の経営・財政が悪化する

こうして並べてみると、得体の知れないこわさではなく、「こういう要因で動くんだな」と中身が見えてきます。正体が分かれば、不安はぐっと小さくなるものです。なお、これらのリスクは商品によって大きさが違います。たとえば、世界中の株式に幅広く投資するタイプと、特定の一国だけに投資するタイプでは、揺れ方がだいぶ変わります。買う前に「この商品はどのリスクが強めなのか」を確認するクセをつけると、自分に合ったものを選びやすくなります。

リスクは「減らす」ことができる

大切なのは、リスクはゼロにはできなくても、小さく抑える工夫はできるという点です。投資信託は、むしろこのリスク管理がしやすい商品でもあります。

分散でカゴを分ける

「卵は一つのカゴに盛るな」という有名な言葉があります。一つのカゴに全部の卵を入れると、落としたとき全部割れてしまいますが、いくつかのカゴに分けておけば被害は一部で済みます。投資信託はもともと、たくさんの株や債券を少しずつ詰め合わせた商品なので、これ一本で自然と分散ができているのです。たとえば、ある一社の株だけを持っていると、その会社が不調になったとき大きな影響を受けますが、数百社に分けて持っていれば、一社の不調が全体に与える影響はわずかで済みます。

時間を味方につける

毎月コツコツ一定額を買い続ける「積立」も、有効な工夫です。価格が高いときは少なく、安いときは多く買えるため、買うタイミングの良し悪しに一喜一憂しにくくなります。長い時間をかけることで、短期的な値下がりの影響もならされていきます。一度にまとめて買おうとすると、「今が高いのか安いのか」と迷ってしまいますが、積立なら買うタイミングを自動で分散できるので、判断に悩む負担も軽くなるのです。

こわがりすぎず、知って向き合う

結局のところ、「投資信託は危ないと聞いたが本当ですか」という問いへの答えは、「中身を知らずに大金を一気に入れれば危ない面もあるが、性質を理解して付き合えば、過度におそれる必要はない」というのが実際のところです。不安の多くは、知らないことから生まれています。逆にいえば、知るほどに「思っていたよりこわくないかも」と感じられるようになっていきます。

はじめの一歩として、次のような点を意識してみてください。

  1. 当面使う予定のない、余裕資金の範囲で始める
  2. 少額・積立から、自分のペースで慣れていく
  3. 買う前に、何に投資する商品なのかをひと通り確認する
  4. 値下がりしても、すぐに慌てて売らずに様子を見る心づもりを持つ

とくに大切なのが、生活に必要なお金まで投じないことです。半年後に使う予定のあるお金や、もしものときの備えまで投資に回してしまうと、いざ値下がりしたときに困った状況で売らざるを得なくなります。あくまで「しばらく置いておける余裕資金」で始めること。これだけでも、心の余裕がまるで変わってきます。

「危ない」という言葉に立ち止まったあなたは、むしろ慎重で堅実な方です。その姿勢のまま、正しく知ることから始めれば、投資信託はけっして遠い存在ではありません。あせらず、自分の歩幅で向き合っていきましょう。

※投資は自己責任です。本記事は情報提供であり投資助言ではありません。

※本記事は情報提供を目的としており、特定の取引・業者を推奨するものではありません。投資判断は最終的にご自身の責任でお願いいたします。
田中 誠一郎
この記事の執筆者
田中 誠一郎
FP2級 証券外務員一種 元・証券会社15年
元・大手証券会社に15年勤務後、独立。FP2級・証券外務員1種保有。バイナリーオプション・FX・資産運用を中心に、入門者向けの解説記事を多数執筆。「難しい金融知識をわかりやすく」をモットーに活動中。

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