「手元の資金は少ないけれど、もう少し大きな取引をしてみたい」――そう思ったとき、検索でよく出てくるのが信用取引という言葉ではないでしょうか。なんだか上級者向けで難しそう、というイメージを持つ方も多いと思います。そこでこの記事では、信用取引のメリットとデメリットを、料理にたとえながらフラットに並べて整理していきます。良いところだけでなく、気をつけたいところもセットで見ていきましょう。
そもそも信用取引ってどんなもの?
信用取引を一言でいうと、「証券会社にお金や株を借りて売買するしくみ」です。たとえるなら、自分の財布のお金だけで買い物をするのが現物取引、お店の会員カードで一時的に立て替えてもらって買うのが信用取引、というイメージです。立て替えてもらえる分、ふだんより大きな買い物ができますが、あとできちんと精算する必要があります。
このしくみがあるおかげで、信用取引には現物取引にはない特徴がいくつも生まれます。次の章からは、その特徴を「良い面」と「注意したい面」に分けて、信用取引のメリットとデメリットをじっくり比べてみます。
信用取引のメリットとデメリットを表で比較
まずは全体像を一枚の表でつかみましょう。文章で読むより、横に並べたほうが両者のバランスが見えやすくなります。
| 観点 | メリット(良い面) | デメリット(注意したい面) |
| 資金の使い方 | 手元資金の数倍まで取引でき、少ない元手を活かしやすい | 大きく動く分、損失も同じように膨らみやすい |
| 取引の方向 | 「下がると予想して売る」こともでき、戦い方が広がる | 上下どちらに動いても読みを外せば損になる |
| コスト | 短期で結果が出れば負担は小さめ | 借りている間ずっと金利などの費用がかかる |
| 期限 | 使いどころを決めて短期勝負がしやすい | 返す期限が決まっている場合があり、放置できない |
こうして並べると、メリットの裏側にそのままデメリットが対応していることが分かります。「大きく取引できる」という長所は、「大きく損もしうる」という短所と背中合わせなのですね。
良い面をもう少しかみくだくと
信用取引のいちばんの魅力は、やはり資金を効率よく使える点です。たとえば手元に30万円しかなくても、その数倍の規模で取引できる場合があります。少ない元手でもチャンスを活かしやすい、という意味では心強い道具です。
もう一つの特徴が「売りから入れる」こと。現物では基本的に「安く買って高く売る」しかありませんが、信用取引では「高いうちに売って、下がったら買い戻す」という戦い方も選べます。相場が下がる局面でもチャンスを探せるのは、引き出しが増える感覚に近いかもしれません。たとえば天気が悪い日に傘を売れるように、下がりそうな局面でも手を打てる、と考えると分かりやすいでしょうか。さらに、保有している現物の株を担保として使える場合もあり、手持ちの資産を眠らせず活用しやすいという良さもあります。
注意したい面はどこにある?
一方で、見過ごせないのが損失も大きくなりやすいという点です。プラスが膨らむということは、マイナスも同じだけ膨らみうるということ。たとえば3倍の規模で取引していれば、値動きの影響も体感としては3倍になります。さらに、相場が想定と逆に動いて損が一定ラインを超えると、追加の資金を求められること(いわゆる追証)もあります。これは「立て替えてもらった分が足りなくなったので、もう少しお金を入れてください」と言われるようなもので、心の準備がないと焦ってしまいがちです。
加えて、借りている間は金利などのコストが少しずつ発生します。長く持つほど費用がかさむため、現物のように「とりあえず塩漬けで様子見」がしづらいのも特徴です。だからこそ、どの証券会社でどんな条件で取引するかは事前にしっかり比べたいところ。手数料や金利は会社ごとに差があるので、口座を開く前に取引業者の比較に目を通しておくと、思わぬ負担を防ぎやすくなります。
FX口座を安全に開設するための業者比較についてもっと深く知りたい方へ → こちらの記事が参考になります。
信用取引が向いている人・慎重になりたい人
ここまでの信用取引のメリットとデメリットをふまえると、向き不向きが少し見えてきます。下のリストを目安にしてみてください。
- 向いている人:相場の動きをこまめに確認でき、損切りのルールを自分で決められる人
- 向いている人:短期で区切りをつける取引スタイルが性に合っている人
- 慎重になりたい人:値動きが気になって眠れなくなりそうな人
- 慎重になりたい人:まだ現物取引にも慣れていない、始めたばかりの人
もし少しでも不安が大きいなら、まずは現物取引で相場の感覚に慣れてから検討する、という順番でも十分だと思います。あせって背伸びをする必要はありません。
まとめ
信用取引のメリットとデメリットは、まさにコインの裏表のような関係でした。少ない資金で大きく動かせる便利さがある一方で、その分だけリスクやコストも大きくなります。大切なのは、良い面だけを見て飛びつかないこと。両方を天秤にかけて、自分の性格や生活リズムに合うかをゆっくり考えてみてください。道具そのものに良い悪いはなく、使い手しだいというわけですね。
※投資は自己責任です。本記事は情報提供であり投資助言ではありません。