2026年8月1日(土)|信頼できる日本経済ニュースを毎日お届け

日経平均の税金と確定申告の基本

「日経平均に連動する商品で利益が出たけれど、税金はどうなるの?」と気になっていませんか。日経平均そのものは株価の平均を示す“ものさし”なので直接買えませんが、それに連動するETFや投資信託、先物・CFDなどを通じて投資できます。そして利益が出れば、当然そこには税金がかかります。この記事では、日経平均の税金について、入門者の方でも全体像がつかめるようにかみくだいて整理します。

日経平均の税金がかかる「3つの場面」

まず押さえたいのは、税金は“利益が出たとき”にかかるという点です。日経平均関連の投資で税金を考える場面は、おおきく分けて3つあります。お弁当でいうと「ごはん・おかず・デザート」のように種類が違うとイメージすると分かりやすいかもしれません。

場面 具体例 税金の扱い
売却益(譲渡益) 日経平均連動ETFを買って値上がりで売る 申告分離課税の対象
分配金・配当 連動ETFや投信から受け取る分配金 配当所得として課税
先物・CFDの差益 日経225先物やCFDの値動きでの利益 申告分離課税(先物等)の対象

同じ「日経平均の税金」といっても、どの商品で利益が出たかによって計算の区分が変わります。ここが入門者の方がつまずきやすいポイントです。

税率はだいたい20%とおぼえる

上場株式やETFの売却益・配当にかかる税率は、合計でおよそ20.315%です。内訳は所得税15%・住民税5%に、復興特別所得税が少し上乗せされた形です。たとえば10万円の利益が出たら、ざっくり約2万円が税金、手元に残るのは約8万円というイメージです。「だいたい5分の1が税金」とおぼえておくと感覚がつかみやすいでしょう。

日経225先物や日経平均CFDなどの利益も、税率の水準は同じく約20%ですが、こちらは「先物取引に係る雑所得等」という別の区分で計算します。区分が違うと、損が出たときに相殺できる相手も変わってくるので注意が必要です。

口座の種類で確定申告の手間が変わる

証券口座には大きく分けて3タイプあり、どれを選ぶかで税金の手続きが変わります。入門者の方には、申告の手間がほぼ不要になる口座が安心です。

  • 特定口座(源泉徴収あり)…証券会社が税金を計算し天引き。原則として確定申告は不要。
  • 特定口座(源泉徴収なし)…年間の損益計算書は作ってくれるが、申告は自分で行う。
  • 一般口座…損益計算から申告まですべて自分で行う。手間が大きい。

「まだ慣れていないし、できるだけラクにしたい」という方は、源泉徴収ありの特定口座から始めると、税金で悩む場面をぐっと減らせます。どの口座を使えるか、手数料体系はどうかは取引環境によって差があるため、申し込み前に取引業者の比較を見て、自分に合った環境を確認しておくと安心です。

NISAを使うと税金がかからない

日経平均連動のETFや投資信託は、NISA口座で買うこともできます。NISAの大きな魅力は、得られた利益や分配金に税金がかからない点です。通常なら約20%かかるところがゼロになるので、長くコツコツ育てたい人にとっては心強い制度といえます。ただし非課税枠には上限があり、対象商品も決まっているため、まずは制度の範囲を確認してから使うとよいでしょう。

まとめ

損が出た年でも知っておきたい「損益通算」

税金というと「利益が出たときの話」と思いがちですが、損をした年こそ知っておきたい仕組みがあります。それが損益通算です。たとえば日経平均連動ETFで30万円の利益が出た一方、別の株式で10万円の損が出た場合、両者を相殺して「20万円の利益」として税金を計算できます。さらに、その年に相殺しきれなかった損失は、確定申告をすることで翌年以降最長3年間にわたって繰り越せます(繰越控除)。今年は損でも、来年利益が出たときに税負担を軽くできるわけです。「損したから申告しても意味がない」と決めつけず、損失も記録しておくことが大切です。

この話題に関連して、海外FX・BO利益の税金対策についての記事もご紹介します → こちら

よくある疑問をQ&Aで整理

入門者の方からよく寄せられる疑問を、簡単な一問一答でまとめておきます。

疑問 答えの目安
含み益にも税金はかかる? 原則かからない。売って利益が確定した時点で課税される。
分配金にも税金は? かかる。受け取り時に源泉徴収されるのが一般的。
NISAなら本当にゼロ? 非課税枠の範囲内ならゼロ。枠を超えた分は通常どおり課税。

とくに「含み益(まだ売っていない値上がり分)」には税金がかからない、という点は安心材料です。持っているだけでは課税されず、売って利益を確定したときに初めて税金を考えればよい、と覚えておきましょう。

まとめ

日経平均の税金は、(1)売却益・分配金・先物差益で区分が分かれる、(2)税率はおおむね20%、(3)源泉徴収ありの特定口座なら申告がほぼ不要、(4)NISAなら非課税、(5)損が出ても損益通算や繰越控除で備えられる、という5点を押さえれば全体像が見えてきます。利益が出てうれしいときほど、税金の存在を忘れがちです。早めに口座タイプと課税区分を理解しておけば、いざというとき慌てずにすみます。まずは自分の口座がどのタイプかを確認することから始めてみてください。日経平均の税金は、仕組みさえ分かれば決して難しいものではありません。

※投資は自己責任です。本記事は情報提供であり投資助言ではありません。税制は変更される場合があるため、最新の情報は国税庁の公式情報や税理士などの専門家にご確認ください。

※本記事は情報提供を目的としており、特定の取引・業者を推奨するものではありません。投資判断は最終的にご自身の責任でお願いいたします。
田中 誠一郎
この記事の執筆者
田中 誠一郎
FP2級 証券外務員一種 元・証券会社15年
元・大手証券会社に15年勤務後、独立。FP2級・証券外務員1種保有。バイナリーオプション・FX・資産運用を中心に、入門者向けの解説記事を多数執筆。「難しい金融知識をわかりやすく」をモットーに活動中。

返信を残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です