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REITをやめるか続けるか迷ったら

「REITを続けるか迷っています」——そんな声、最近とても多く耳にします。買ったときは配当が魅力的に見えたのに、価格がじりじり下がっていたり、思ったほど分配金が増えなかったり。画面の数字を見るたびに「このまま持っていていいのかな」と不安になる気持ち、とてもよくわかります。この記事では、やめるか続けるかを決める前に、いったん落ち着いて整理するための材料を、初心者の方にもわかりやすくお話ししていきます。

そもそもREITってどんな仕組み?

まず軽くおさらいです。REIT(リート)は、たくさんの人からお金を集めて、オフィスビルやマンション、商業施設などの不動産を買い、その家賃収入などを投資家に分配する仕組みです。たとえるなら、みんなで少しずつお金を出し合って一棟のビルの大家さんになり、家賃を山分けするようなイメージですね。

自分で何千万円も用意して不動産を買うのは大変ですが、REITなら数万円から「大家さんの一員」になれます。だからこそ人気があるのですが、その分、不動産市場や金利の動きに値段が左右されるという特徴も持っています。ここを押さえておくと、今の不安の正体が少し見えてきます。

もう一つ覚えておきたいのが、REITには値段が二つあるという点です。一つは取引所でつく「市場の値段」、もう一つはそのREITが持っている不動産の価値から計算した「中身の値段」です。スーパーで言えば、値札(市場の値段)と、実際の中身の値打ち(不動産そのものの価値)のようなものですね。両者がいつも一致するわけではなく、市場の気分で値札のほうが大きく揺れることがあります。今の価格が「中身に比べて安いのか高いのか」を意識すると、ただの上下に振り回されにくくなります。

「なぜ下がるの?」不安の正体を分解してみる

「続けるか迷う」気持ちの多くは、値動きや分配金への不安から来ています。でも、その不安が一時的な要因なのか、それとも長く続きそうな要因なのかで、判断はだいぶ変わります。よくある不安を整理してみましょう。

気になっていること 主な背景 考え方のヒント
価格が下がっている 金利の上昇や不動産市況の変化 短期の上下は珍しくない。長期の傾向を見る
分配金が思ったより少ない 空室や物件の入れ替えなど 一時的か継続的かを確認する
周りが「やめた」と言っている 他人の事情や投資方針の違い 自分の目的に当てはまるかが大切

たとえば「金利が上がるとなぜREITが下がりやすいの?」と疑問に思う方も多いはずです。REITは銀行などからお金を借りて不動産を買っている場合が多く、金利が上がると利息の負担が増えます。さらに、銀行に預けるだけでもそこそこ利息がつく時代になると、わざわざ値動きのあるREITを選ぶ魅力が相対的に下がる、という事情もあります。こうした背景は一晩で消えるものではないので、「短期の気分」なのか「しばらく続く流れ」なのかを見分ける目安になります。

こうして並べてみると、不安の多くは「よくわからないから怖い」という部分から来ていることが多いものです。理由がわかるだけで、気持ちは少し軽くなります。

やめるか続けるか、判断材料を整理しよう

では、実際に「REITを続けるか迷っています」という状態から一歩進むために、自分に問いかけてほしいポイントをまとめます。どれも正解・不正解があるものではなく、あなたの状況を映す鏡だと思ってください。

  • 買った目的は変わっていないか:配当でゆっくり資産を育てたい、という当初の目的が今も生きているなら、短期の値下がりだけで手放すのは早いかもしれません。
  • 生活に必要なお金まで投じていないか:近いうちに使う予定のお金で投資していると、値動きが余計に怖く感じます。その場合は金額を見直す選択もあります。
  • 下がった理由を説明できるか:なんとなく不安なだけなのか、はっきりした理由があるのか。理由が言葉にできると、判断が冷静になります。
  • 夜眠れないほど気になるか:精神的な負担が大きすぎるなら、自分に合っていないサインかもしれません。

このチェックで「目的は変わっていないし、余裕資金でやっている」となれば、あわてて結論を出さず、もう少し様子を見るという選択肢も十分あります。逆に「生活費に手をつけていた」「理由もわからず不安なだけ」という場合は、いったん金額を減らして気持ちを整える、というのも立派な判断です。

「全部やめる」以外の選び方もある

迷ったときは、つい「続ける」か「全部やめる」かの二択で考えがちですが、実際にはその間にいくつもの選択肢があります。たとえば、一部だけ売って残りは持ち続ける、新しく買い増すのは止めて今あるぶんはそのまま様子を見る、といった中間の形です。極端に振り切らず、自分が安心できる落としどころを探すことも、立派な投資判断の一つです。

売る前にもう一度だけ確認したいこと

「もう売ろう」と気持ちが固まったときこそ、最後にひと呼吸おいてほしいポイントがあります。それは、売ることで生まれる「コストや手間」です。たとえば、利益が出ているぶんを売ると税金がかかりますし、売ったお金を次にどこへ置くかも考えておく必要があります。行き先を決めないまま売ると、結局なんとなく使ってしまいがちです。

また、相場が大きく下がった直後は、いちばん冷静さを失いやすいタイミングでもあります。どうしても気持ちが落ち着かないときは、「今日は決めない」と一日先延ばしにするだけでも、判断の質は変わってきます。

まとめ:迷いは「立ち止まるサイン」

「REITを続けるか迷っています」という気持ちは、決して悪いものではありません。むしろ、自分のお金とちゃんと向き合えている証拠です。大切なのは、不安に流されて勢いで決めるのではなく、目的・余裕資金・下がった理由・気持ちの負担という材料を一度並べてみること。そのうえで、続ける・減らす・様子を見る、どれを選んでも、自分で納得して決めたなら、それが今のあなたにとっての正解です。焦らず、一つずつ整理していきましょう。

※投資は自己責任です。本記事は情報提供であり投資助言ではありません。

※本記事は情報提供を目的としており、特定の取引・業者を推奨するものではありません。投資判断は最終的にご自身の責任でお願いいたします。
田中 誠一郎
この記事の執筆者
田中 誠一郎
FP2級 証券外務員一種 元・証券会社15年
元・大手証券会社に15年勤務後、独立。FP2級・証券外務員1種保有。バイナリーオプション・FX・資産運用を中心に、入門者向けの解説記事を多数執筆。「難しい金融知識をわかりやすく」をモットーに活動中。

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