チャートを開くと、ギザギザの線や色のついた棒がびっしり並んでいて、「これ、いったい何を見ればいいの?」とフリーズしてしまった経験はありませんか。実はあの画面の裏側には、ちゃんとした「動き方のルール」があります。今回はテクニカル分析の仕組みを、過去の値段がどうやって次の判断材料に変わっていくのか、具体的な数字の例を使いながら、図解するようなイメージで一緒にたどっていきましょう。
テクニカル分析の仕組みは「過去の値段」を材料にする
テクニカル分析というと難しそうですが、土台はとてもシンプルです。会社の業績や経済ニュースはいったん脇に置いて、「過去にいくらで取引されたか」という値段の記録だけを材料にして、これからの動きを考えようとする方法です。料理にたとえると、冷蔵庫の中身(過去の値段)だけを見て、次に何を作るか発想するイメージですね。
なぜ過去の値段だけで考えられるのでしょうか。テクニカル分析の根っこには、「値段にはみんなの気持ちや情報がすでに全部映り込んでいる」という考え方があります。たとえばある銘柄が3,000円から急に2,800円まで下がったとします。この200円の下げには、誰かが「もう売りたい」と思った気持ちが詰まっています。テクニカル分析の仕組みは、その気持ちの跡を線やパターンとして読み取り、次に同じような場面が来たときの参考にしようとするわけです。
移動平均線でならして「流れ」を取り出す仕組み
テクニカル分析の代表選手が「移動平均線」です。これは、直近の値段を平均してならし、ギザギザを一本の滑らかな線に変える道具です。例として、5日間の終わりの値段が次のようになったとします。
| 日にち | 終わりの値段 |
| 月 | 1,000円 |
| 火 | 1,020円 |
| 水 | 980円 |
| 木 | 1,040円 |
| 金 | 1,060円 |
この5日分を足すと5,100円。これを5で割ると1,020円です。これが「5日移動平均」の値になります。毎日いちばん古い日を外して新しい日を足し直すと、線がするすると動いていきます。日々の値段は上がったり下がったりして落ち着きませんが、平均にすると「だんだん上を向いているな」という流れが見えてきます。短い日数の線が長い日数の線を下から上へ追い抜くと、流れが上向きに変わったサインと読む人が多い、というのもこの仕組みから生まれた考え方です。
数字の例で「買われすぎ・売られすぎ」を測る仕組み
もうひとつ人気なのが、値段の勢いを0から100の数字で表す「オシレーター」と呼ばれる仲間です。考え方は体温計に似ています。平熱から離れすぎたら「ちょっと行きすぎかも」と気づける、あの感覚です。
たとえばある指標が70を超えたら「買われすぎ」、30を下回ったら「売られすぎ」と見る、というルールがあります。値段がぐんぐん上がって指標が75になったら、「上がるエネルギーを使いすぎて、そろそろ一息つくかも」と一歩引いて考える材料になります。逆に値段が下がり続けて指標が25まで沈んだら、「売られすぎて反発するかも」と身構えるわけです。
ただし、ここがテクニカル分析の仕組みの大事な注意点です。70を超えたから必ず下がる、30を割ったから必ず上がる、というわけではありません。強い流れのときは買われすぎのまま、さらに上がり続けることもよくあります。あくまで「いまどんな状態か」を測る目安であって、未来を言い当てる魔法の数字ではない、と覚えておきましょう。
FXツール・チャート機能で選ぶ業者比較に関する詳しい情報は、こちらをご確認ください。
なぜ同じパターンが繰り返されやすいのか
「過去の形が参考になるなら、みんな同じところで儲かるのでは?」と思うかもしれません。仕組みのカギは、参加している人たちの心理にあります。前に1,500円で何度も止まって下がった銘柄があると、その値段を覚えている人が「また1,500円が近いから売っておこう」と動きます。すると本当に1,500円付近で売りが増えて、また止まる。こうして「みんなが意識する値段」が壁のように働き、似た形が繰り返されやすくなるのです。
とはいえ、全員が同じ道具を見ているわけではありませんし、急なニュースが出れば形はあっさり崩れます。だからこそ、ひとつのサインだけで飛び込まず、流れを見る線と勢いを測る数字を組み合わせて確かめる人が多いのです。実際にチャートツールを触ってみると理解が早まりますが、表示できる指標や使い勝手は取引会社ごとに差があります。自分が見たい道具がそろっているかという視点でも、取引会社の比較を一度のぞいてみると、環境選びのイメージがつかみやすくなりますよ。
まとめ
ここまで見てきたように、テクニカル分析の仕組みは「過去の値段を材料にして、流れや勢い、みんなが意識する値段を読み取る」という流れで成り立っています。移動平均線でギザギザをならし、オシレーターで行きすぎを測り、繰り返されやすいパターンを心理から理解する。この三つをつないで眺めると、あの複雑なチャートも少しずつ意味のある地図に見えてきます。まずは身近な銘柄で、移動平均線を一本だけ表示するところから、気軽に試してみてください。
※投資は自己責任です。本記事は情報提供であり投資助言ではありません。