2026年9月8日の朝、内閣府のページを開いた。2026年4-6月期の2次速報が出る日だ。実質GDPは前期比0.4%、名目GDPは前期比1.3%。数字そのものより先に、毎回引っかかる読み方が一つある。四半期の実額を、そのまま3か月分の金額として読む場合だ。

よくある誤読、四半期の実額を3か月分と読む

季節調整系列には実額が載る。2026年4-6月期なら実質599.0兆円、名目689.2兆円。これを4月から6月までの3か月で生み出した額と読むと、規模が大きくずれる。季節調整系列の実額は四半期値を4倍した年率換算値である。四半期の実額をそのまま1年間の実績として扱うことはできない。

※季節調整と年率換算の扱いは、デジタル庁のGDPダッシュボード解説による。

実質と名目、分けて読む順番

名目GDPは、その時点の市場価格で評価する。数量の変化と物価の変動の両方を含んだ値だ。実質GDPは基準年からの価格変動を取り除き、数量の動きを見やすくしている。両者は名目値=実質値×デフレーターの関係にある。伸び率が食い違うとき、その差は価格側の動きに対応する。物価そのものの動きは消費者物価指数の推移で別に追える。

GDPは、国内で生み出された付加価値を生産・支出・分配の3側面から記録する指標である。四半期別GDP速報では、実質・名目のGDP本体に加え、消費や投資など需要項目ごとの寄与度も公表される。全体の伸びがどこから来たかは、そこで確かめる。

2026年4-6月期、実質0.4%と名目1.3%

最新値は、内閣府が2026年9月8日に公表した2026年4-6月期の2次速報である。実質GDPは前期比0.4%増、名目GDPは前期比1.3%増。差は0.9ポイント。実額は実質599.0兆円、名目689.2兆円で、実質の実額は2020暦年連鎖価格による。

2025年度は実質0.9%、名目4.3%

前年同期比ではなく年度で見ると、2025年度の実質GDPは前年度比0.9%増、名目GDPは同4.3%増だった。差は3.4ポイントで、四半期より開いている。実額は実質594.5兆円、名目672.7兆円。名目の伸びが実質を上回る局面では、金額の増え方と数量の増え方を同じものとして扱わないほうが安全だ。名目の金額を国際比較に使う場合の換算については、名目と購買力平価で入れ替わるgdp ランキングで整理した。

実質GDPと名目GDPの伸び率 実質GDPと名目GDPの伸び率 単位:% 名目 実質 0 2 4 6 2026年4-6月期(前期比) 2025年度(前年度比) 0.4 1.3 0.9 4.3

実質GDPと名目GDPの伸び率(単位:%)
項目 実質 名目
2026年4-6月期(前期比) 0.4 1.3
2025年度(前年度比) 0.9 4.3
出典:国民経済計算(GDP統計)

※数値は内閣府経済社会総合研究所「国民経済計算(GDP統計)」。

発表元と、確かめる場所

日本の四半期GDP速報を公表するのは内閣府経済社会総合研究所である。1次速報は四半期終了から約1か月半後、2次速報は約2か月10日後。次回は2026年7-9月期1次速報で、公表予定は2026年11月16日8時50分となっている。※予定は変更されることがある。

単位と期間を自分で確かめるなら、政府統計の総合窓口e-Statの四半期別GDP速報を開く。実質か名目か、原系列か季節調整系列か、実額か前期比か年率換算か、寄与度はどの列か。CSVとPDFの両方が置かれていて、区分は列の見出しに書いてある。