117.6。2026年7月の実質賃金指数である。事業所規模5人以上、持家の帰属家賃を除く総合ベース、2020年平均=100。前年同月比は2.4%増。厚生労働省の毎月勤労統計調査が2026年9月8日に公表した速報値だ。
実質賃金指数、2025年年平均との差
年平均で見ると、2025年は98.0、前年比1.3%減だった。前年比のマイナスは2022年から続いている。1.0%減、2.5%減、0.3%減、1.3%減。4年連続で前年を下回った。
2026年7月の速報は2.4%増。符号が反転している。ただし比べているのは年平均と単月の前年同月比で、期間の長さが違う。単月の値には月ごとの変動要因が入り得る。
実質賃金の算式と2026年7月の要因
実質賃金指数は、名目賃金指数を消費者物価指数で除して算出する。式は実質賃金指数=名目賃金指数/消費者物価指数×100。物価の上昇率が名目の上昇率を上回れば、実質は下がる。
2026年7月の現金給与総額は436,401円、前年同月比4.7%増。実質化に用いた消費者物価指数(持家の帰属家賃を除く総合)は同2.2%の上昇。名目の伸びが物価の伸びを上回ったため、実質はプラスになった。
※数値は厚生労働省「毎月勤労統計調査」2026年7月分結果速報(2026年9月8日公表)による。
実質賃金の推移、1990〜2025年の年平均
長期の水準は次のとおり。1990年111.8、2000年113.9、2010年106.8、2020年100.0、2025年98.0。2000年前後を高い水準として、そこから切り下がっている。※2004〜2011年は時系列比較のための推計値。
| 項目 | 実質賃金指数(持家の帰属家賃を除く総合ベース) |
|---|---|
| 2020年 | 100 |
| 2021年 | 100.6 |
| 2022年 | 99.6 |
| 2023年 | 97.1 |
| 2024年 | 99.3 |
| 2025年 | 98 |
物価系列と速報値、比較の限界
実質化に使う物価系列は一つではない。生活実感に近い購買力を見る系列には持家の帰属家賃を除く総合、国際比較向けには総合が使われ、毎月勤労統計調査は2系列を公表している。2026年7月は総合ベースだと指数120.1、前年同月比2.6%増。除く帰属家賃ベースの2.4%増とは伸び率が異なる。同じ月でも、系列が違えば水準も伸び率も変わる。指数の種類による差は消費者物価指数(CPI)の指数の種類と前年同月比の読み方で整理した。

もう一つ。速報値は確報で改訂されることがある。長期の推移を追うなら、同じ基準・同じ物価系列の確報値と時系列表をそろえる。基準改定を見落として長期比較を誤ったことがあり、以来ここは先に確認している。
対象範囲も見ておきたい。毎月勤労統計調査は16大産業に属する常用労働者5人以上の事業所を対象に、雇用・給与・労働時間の全国的な変動を毎月調べる。調査時点は原則として毎月末である。
次回の公表予定と確認先
2026年7月分の確報は2026年9月28日、8月分の速報は2026年10月7日。公表時刻は原則8時30分。
数字を自分で確かめるなら、厚生労働省の毎月勤労統計調査 2026年7月分結果速報のページが起点になる。報道発表資料に実質賃金指数の2系列が並ぶ。発表日の朝、開くのはこのページだ。