景気動向指数は、生産・雇用など景気に敏感な経済指標の動きを統合し、景気の現状把握と将来予測に用いる指標である。現行の採用系列は30。先行11、一致10、遅行9の三つに分かれる。※現行系列は2021年1月分から採用。

先行指数の11系列(2021年1月分以降)

先行指数は景気に先行して動く系列で構成される。一般に一致指数より数か月先に動くため、先行きの参照に使われる。

先行系列と測定内容
系列名 測定内容
最終需要財在庫率指数 最終需要財の在庫と出荷の比率。逆サイクル
鉱工業用生産財在庫率指数 生産財の在庫と出荷の比率。逆サイクル
新規求人数 新規学卒者を除き、パートタイムを含む
実質機械受注 製造業の機械受注を国内品資本財の物価指数で実質化
新設住宅着工床面積 住宅着工の床面積
消費者態度指数 二人以上世帯
日経商品指数 42種総合
マネーストック(M2) 前年同月比
東証株価指数 月中平均
投資環境指数 製造業の総資本営業利益率から10年国債利回りを差し引いた指標
中小企業売上げ見通しDI 中小企業の売上げ見通し

※逆サイクルは、指数の動きが景気と反対方向になる系列を指す。

一致指数の10系列、現状把握に使う

一致指数は景気とほぼ同時に動く。足元の局面を見る際の中心になる。

一致系列と測定内容
系列名 測定内容
生産指数(鉱工業) 鉱工業生産活動の水準
鉱工業用生産財出荷指数 生産財の出荷
耐久消費財出荷指数 耐久消費財の出荷
労働投入量指数 調査産業計の総実労働時間指数と非農林業雇用者数による
投資財出荷指数(輸送機械を除く) 資本財と建設財の出荷の加重平均
商業販売額(小売業) 前年同月比
商業販売額(卸売業) 前年同月比
営業利益(全産業) 全産業の営業利益
有効求人倍率 新規学卒者を除き、パートタイムを含む
輸出数量指数 輸出の数量

遅行指数の9系列、事後の確認に使う

遅行指数は一致指数より数か月から半年程度遅れて動く。局面の事後確認に使われる。

遅行系列と測定内容
系列名 測定内容
第3次産業活動指数(対事業所サービス業) 対事業所サービス業の活動
常用雇用指数 調査産業計、事業所規模30人以上、前年同月比
実質法人企業設備投資(全産業) 法人企業の設備投資
家計消費支出 勤労者世帯・二人以上世帯・名目、前年同月比
法人税収入 還付金を含む
完全失業率 逆サイクル
きまって支給する給与 製造業、名目、事業所規模30人以上
消費者物価指数(生鮮食品を除く総合) 前年同月比
最終需要財在庫指数 最終需要財の在庫

※系列の構成と測定内容は、内閣府経済社会総合研究所の景気動向指数の利用の手引および個別系列の概要による。生産・出荷・在庫率の内容は経済産業省の鉱工業指数の説明にもとづく。

三つの指数の関係、動く順番と重なり

並べる順番は、先行、一致、遅行である。一致が現在、先行が数か月先、遅行が過去の確認に対応する。一覧を縦に見ると、同じ対象を別の形で測る系列が複数の指数に入っていることがわかる。在庫は先行に在庫率指数、遅行に在庫指数として入る。雇用は先行に新規求人数、一致に有効求人倍率と労働投入量指数、遅行に常用雇用指数と完全失業率が入る。三つの区分の整理はCIとDI・先行/一致/遅行の違いを語呂で整理する記事でも扱っている。

水準の例として、2026年8月分速報のCI(2020年=100)は先行118.0、一致118.7、遅行112.1。公表日は2026年10月7日である。内訳や基調判断は2026年8月分の一致CIとDIの記事にまとめた。

※数値は内閣府「景気動向指数(令和8(2026)年8月分速報)結果の概要」。

一覧の読み方、CIとDIで役割が分かれる

同じ30系列から、CIとDIという二つの指数がつくられる。CIは各系列の前月との変化の大きさを合成し、変化率を累積して指数化する。測るのは景気変動の大きさとテンポ、つまり量感である。DIは各月の値を3か月前と比べ、上昇した系列の割合を出す。横ばいは0.5として数え、拡張系列数を採用系列数で割って100を掛ける。測るのは経済部門への波及度である。両者は補完的に使う。

単月の値には不規則な動きが含まれる。内閣府は3か月後方移動平均で足元の基調変化を見て、7か月後方移動平均でその変化の定着を確認する。指数の上下だけで景気全体を判断せず、基調判断や各系列の寄与と併せて読む形になる。一覧を眺めるときは、系列名より先に単位と比較期間を確かめておくと、名前の似た系列を取り違えにくい。

次回の速報は2026年11月9日14時、2026年9月分の公表予定。※内閣府の景気統計公表予定一覧(2026年10月20日更新)による。予定は変更される場合がある。