「2026年8月の消費者物価指数は102.2」を、物価が102.2%上がったと読む誤りがある。102.2は指数の水準で、変化率ではない。前年同月比は+1.9%である。インフレ率の計算方法は、この二つを分けるところから始まる。

前年同月比の式、分母は前年同月の指数

前年同月比(%)=(当月の指数-前年同月の指数)÷前年同月の指数×100。分母は前年同月の指数だ。当月の指数を100で割るのではなく、1年前の水準からの変化率を出している。

指数そのものは、世帯が購入する財・サービスの価格の平均的な変動を表す指標で、家計調査などから作ったウエイトで品目価格を加重平均して作る。2025年基準では基準年を100とし、ラスパイレス型の算式を用いる。採用品目は589品目。

※総務省統計局「2025年基準消費者物価指数のしくみと見方」、消費者物価指数に関するQ&A。

計算例、2025年1月99.3と2026年1月100.8

統計局の解説にある例で式を動かす。2026年1月の総合指数100.8、2025年1月99.3。(100.8-99.3)÷99.3×100=1.5%。公表されている前年同月比1.5%と一致する。丸めた指数を使った計算例だ。

前回との差、生鮮食品を除く総合は1.8%から1.7%へ

全国の2026年8月分は2026年9月18日に公表された。総合102.2で前年同月比+1.9%、生鮮食品を除く総合は+1.7%。後者は7月の+1.8%から0.1ポイント縮小した。

2026年8月分 全国CPIの前年同月比 2026年8月分 全国CPIの前年同月比 単位:% 0 0.5 1 1.5 2 総合 生鮮食品を除く総合 1.9 1.7

2026年8月分 全国CPIの前年同月比(単位:%)
項目 前年同月比
総合 1.9
生鮮食品を除く総合 1.7
出典:2025年基準 消費者物価指数 全国 2026年(令和8年)8月分

※総務省統計局「消費者物価指数 全国 2026年8月分」。2025年=100。

差の要因、エネルギーと生鮮食品の押し下げ

総合の上昇幅に対して、生鮮食品が0.02ポイント、エネルギーが0.09ポイント押し下げた。統計局の資料は、電気代やガソリンの下落幅が拡大したことなどを要因に挙げている。総合1.9%とコア1.7%の差は、どの品目を外した指数かで変わる。

計算と比較の注意、丸めと地域区分

丸めた指数で再計算すると、公表の変化率と一致しない場合がある。前年同月比は個別品目の影響や各世帯の物価変動をそのまま示す数字ではない。指数は世帯の生活費そのものでもない。指数の種類の違いは消費者物価指数(CPI)の指数の種類と前年同月比の読み方で扱っている。

地域と速報区分も混ぜない。東京都区部の2026年9月分(中旬速報値)は2026年10月2日公表で、総合102.5、前年同月比+2.7%。これは全国の結果に先立つ東京都区部のみの速報である。

次の公表、2026年10月23日8時30分

全国の2026年9月分は、2026年10月23日午前8時30分に公表予定。式に入る数字は当月の指数と前年同月の指数の二つだけだ。

※公表予定はe-Statの公表予定一覧による。