336.940。2026年9月のアメリカの消費者物価指数(CPI-U)は、1982〜84年を100としたこの水準で公表された。このまま物価が336.940%上がったと読むのは誤りだ。数字の意味を取り違えると、実際より大きな変化に見える。
誤解しやすい336.940という数字
指数の水準と変化率は別の数字である。前年同月比は+3.7%(季節調整前)、前月比は+0.6%(季節調整済み)。米労働統計局(BLS)が2026年10月14日午前8時30分(米東部時間)に公表した値である。
正しい読み方、比較期間が違う数字を並べない
3.7%と0.6%は、比較する期間も調整方法も違う。前者は1年前との差、後者は前月との差を季節調整したものだ。ガソリンは季節調整済みで前月比9.1%上昇し、総合指数の月次上昇の半分超を占めた。同じ月の指数でも、見る指標によって印象が変わる。
※月次指数は特定の日の価格ではなく、月を通じて集めた価格から推計した、その月全体の水準である。
算出方法、修正ラスパイレス方式
CPI-Uは75都市地域で約80,000品目、約23,000の事業所を調査する。上位の集計には修正ラスパイレス方式、下位の多くの品目には幾何平均を使う。支出のウェイトはConsumer Expenditure Surveysに基づき毎年1月に更新され、2026年分は2024年の支出データを反映する。
発表スケジュール、次回は11月10日
2026年10月分の公表は2026年11月10日午前8時30分(米東部時間)の予定。発表のたびに前回との差を先に計算していた頃、季節調整前の数字で前月比を語って指摘を受けたことがある。それ以来、どちらの調整を見ているかを先に確かめている。
日本の指標との違い
日本の全国CPIも世帯の消費を測る指標で、2026年8月分は2025年を100として102.2、前年同月比で見ると+1.9%だった。算式は日本も固定基準ラスパイレス方式だが、ウェイトは2025年基準・品目589で改定は5年ごと。米国CPI-Uは人口の約93%を占める都市消費者を対象に、支出ウェイトを毎年更新する。対象範囲と更新頻度が違うため、総合指数やコア系列を同じ条件の数値として単純比較できない。米国のコアCPIは食品とエネルギーを除くが、日本の「生鮮食品を除く総合」は生鮮食品だけを除く系列で、範囲が異なる。消費者物価指数(CPI)とは?にも指数の種類をまとめている。
| 項目 | 前年同月比 |
|---|---|
| 米国CPI-U(2026年9月) | 3.7 |
| 日本CPI総合(2026年8月) | 1.9 |
自分で確かめる場所
日本の全国CPIは、毎月19日を含む週の金曜日午前8時30分に前月分を公表する。2026年9月分は2026年10月23日の予定。BLSの公表予定表には、米国分の次回日時が出ている。総務省統計局の公表ページにも、次回の日時が載っている。